ユニバーサルデザイン
都市再生事業計画というのが今の首都東京で推し進められている。東京都心を中心に、そのうちでも臨海地域、秋葉原、神田地域、品川、田町、新宿、大崎、渋谷、池袋の各周辺地域及び羽田空港南を含む地域の8つの地域が「特定都市再生緊急整備地域」に指定され、急速な都市発展が進んでいる。アメリカ西海岸の「デザイン思考」を取り入れ、コワーキングスペースやファブラボが普及しており、日本のスペース事業においても海外の拠点を自由に利用して行き来するなどのワーキングスタイルが今まさに定着しつつある。インターネット付随サービス業は渋谷がトップで、副都心近郊や丸の内大手町などの都心中心になっている。ゆとり社会は重要だが労働に対して消極的といったライフスタイルのとらえ方から長期的に仕事が続けられる、希望すれば別のポジションに就ける、再就職が難しくないなどの環境づくりを促進する方向には向かっているが、その捉え方というのはあくまで時短労働や、ゆとり労働が日本経済に新しい多くの労働資源への扉へ開かれることを意味し、生産性を向上するという意味なのである。日本の起業家の中で女性が占める割合は現在、30パーセントだという。この数字が増えることは日本経済に新しい労働力資源への扉がもっと開かれることをも意味するだろうし、こういった考え方というのは決して時短労働やゆとり教育など自体を推進し、生産性を高めるといった意味合いで捉えられることなのである。一つの都市生産性の課題ともいえるのだろう。家庭的な女性とか男は肉体労働をするべきといった、そういうステレオタイプな考え方は、かつてはそういう役割分担をすることで家庭内のサイクルが円滑になり、そこに心の余裕や発展性が生まれるからというところから来るのではないだろうか。現実には、女性が仕事をしようとしてもまだまだ子育てから離れられない状況といったとらえ方が多かったと思うが、それでも男女ともに生き甲斐を感じられるといった環境づくりを促進する方向には向かっていると考える。そういう意味でこの全く新しい男女の労働参画の形は、人間関係として新しさを感じるなぁというので率直なところでは有意義さを感じるのではないだろうか。ユニバーサルデザインは、出来るだけ多くの人が利用し、アクセスフリーだとかアベイラビリティ向上といったコンセプトを主として、こういった考え方はまったく新しい考え方ということではなく、いくつかの文献は存在しているが、社会が提案する寛容さだとか斬新さということとは別に紐解く必要がある。違いを挙げるとすれば、デザインにおけるユニバーサルの概念というのは、結果として何らかの障壁を生んだ際に後から除去するといった意味というよりも、誰でも使いやすいデザイン、馴染みやすいデザインということであり、アクセスフリーだとかアベイラビリティ向上といった意味で考えらえる(Ronald Mace,1985)という意味であるのに対し、その点がバリアフリーとは異なるのであるという。事前の学習無しでも即時的、国際的にわかる伝達効果のことをピクトグラムというが、ユニバーサルデザインというのは、統計的に整合性のある記号やタイプの集まりは「記号同士の隔たり」であるのに対して、「見慣れない文字でも横に絵が添えられていれば、正しい対処方法を知ることができるだろう」という考えを示したのがISOTYPEのような国際図説(図記号)言語なのだという。このように考えた建築物やデジタル図記号において、また都市生産やデザインにとっても、それが結果としてこういった機構で重要な形を成して表している。歩行空間のユニバーサルデザインなどが端的に表している。ドローンなどの空路を計算して時間を計算する、干渉が起こらないようにするといったことも広い視野で人間が発想として考えていくべきなのだということが分かる。このようなデザインシンキングとは、このような図記号におけるユニバーサルデザインの歴史のとらえ方というのは、学校教育などにおいても推進されるべきだが、これは一歩間違えば大きなエラーを持ちうる可能性もあると考えられるので慎重に推進する必要があるように思える。寛容な社会、多様性を受け入れる社会として今後の都市計画の課題となり得るだろう。(レビュー:SHIBUYA! ハーバード大学院生が10年後の渋谷を考える,2019)