日本舞踊において、私は私にも他者にも負けたくない。
私より少し先に入った方にはリスペクトをもって、だけど先に進む。絶対に。
数年、数十年やってきた人にはしがみついていくしかない。
努力はキリがなくて時間には限りがあって、諦めたくて諦めたくなくて、全然できなくてできないなんて言いたくなくて、毎日悔しい。
悔しくて悔しくて悔しい。

だけど
大人になってこんなに愛を持って怒られることがあること。
覚えが悪くしなやかさがない自分に絶望して泣くこと。
少しも忘れたくなくて帰りの電車で録音した音声を聴きながら必死にフリを書き出すこと。

こういうもの全部、私だけの宝物。
決して綺麗ではない。失敗だらけで余裕のない私の宝物は、それでもどこにも売っていない、誰も持てない、誰にもあげられない、私だけの大切な物なのだ。

明確な勝ち負けのない己との戦いの世界で、私は昨日の私より進むしかない。
下がりながら、止まりながら、私は私に勝つしか、進むしかない。

それは苦しくておもしろい、大変豊かな感情である。

日本舞踊がこんなにスポーツだとは思わなかったよ。
こんなに汗だくで悔しい気持ちを抱くだなんて知らなかったよ。

こうして、頑張った人にしか、進む人にしか、得ることのできない気持ちを感じさせてくれるのは間違いなく壇蜜さん。感謝しています。
(しーちゃんが習っていたのがお琴だとか、あるいはランニングだとかだったらやろうとも思わなかったけれどね。笑)

私は日本舞踊の先生になりたいわけではない。
日本舞踊で何かしたいわけでもない。
全力を注げることが、注ぎたいことがあることが幸せなの。




もうすぐ初めての舞台。
人前に立つこと、たった1日の数分に何ヶ月もかけてベストな自分を持っていくこと。
これはラジオやMCで鍛えられてきたはず。
本番まで泣いて怒られて、当日は華やかに艶やかに舞えますように。
私は1番いい私をつくる。