わたしは、次男の父が家を継いでいる田舎の本家で一人娘として生まれた
幼少期から、両親は共働きで、父親はほぼ家にいなかった
わたしは祖父母に育てられていた
おじいちゃんは、口数が少なくてぶっきらぼうでお酒も好きだったけど
とっても物静かな人で目立ったことはしないけれど
コツコツと淡々と決められたことを続ける真面目な人
わたしの保育所のお迎えに来てくれていたおじいちゃんは
保育所の門が開く16:00前から、門の前で待ってくれていた
おばあちゃんは多才で、面倒見のよい人だった
教育にも熱心で、わたしはたくさんの本を与えてもらい
勉強もよく見てもらっていた
料理も上手な人だった
料理ができない母に生まれても、
わたしの舌は祖母の料理で育てられたので味覚にはそこそこ自信があるし
祖母の料理を手伝っていたから、なんとなくできるようになっていた
祖父母はわたしを大事に育ててくれたが
田舎の本家という立場上、躾には厳しかった
本家ということもあったのだろう
親戚や近所の人などが毎日、我が家にいる状態だった
わたしは幼少期から、祖母に「来客のおもてなし」と「愛想のふりまき方」を徹底的に叩きこまれた
・お客さんがいる時は、座ってはいけない
・飲み物が無くなりそうになったら、注ぐ
・近所の人とすれ違ったら、必ず笑顔で挨拶をする
・物をもらったら、嬉しくなくても喜ぶ
・「あげる」と言われたら、受け取ることを断ってはいけない…など
本家の一人娘としての作法のようなものだ
「世間から恥ずかしくない娘」として、
常に他人に気を配り、行動する英才教育を受けながら、わたしは育った