警察沙汰にはならないと思う。

相手を気持ちよくさせたからだ。

 

つい8時間ほど前、

閉まる間際の無人のコインランドリーにて

ステテコなどせんたくしておりましたところ、

オジサンが入って来た。

 

オジサンは洗濯物を入れて、

手持無沙汰に椅子に座った。

 

ふと目が合った。

 

俺はその時、

「恋人の作り方」

というムック本を読んでいた。

 

俺は発作的に

大きな文字のタイトルの表紙を

彼に見えるように真ん前にかざして

真剣に読みふける爺さんとなった。

 

孤独な彼に、

ささやかな笑いと、

優越感をプレゼントしたのだ。

 

プロフには200人の足跡が付いてるのに、

9割以上の女性にマッチングして貰えず

無視されている現実を表情で示そうとしたが、

上手くできなくてゴメンね、オジサン。