前回の東京滞在記はこちらからどうぞ。
私たちの前に並んでいた人々の入館を待った後、ようやくチケットを購入して長谷川町子美術館に入館。
以前は無かった長谷川町子記念館も新たに登場し、以前よりもますます楽しい場所となっているようだ。
↑訪れた時は大好きな「いじわるばあさん」の企画展を記念館の方で開催していた。
*この翌日25日から緊急事態宣言発令を受けて長谷川町子美術館・記念館は休館中であるらしい…。
美術館ではこの時「深く息を吸って–緑の世界」という美術館の収蔵コレクション展をやっていた。
この長谷川町子美術館は、そもそも絵などの美術品がお好きだった長谷川姉妹(長谷川町子さんと姉の毱子さん)が収集したものを展示するために作られたものである。
なので美術館の方では長谷川町子さんの作品ではなく、美術館の素晴らしいコレクションを楽しむ事が出来るのだ。
今回は初夏らしく、目に鮮やかだったり、安らぎを感じるような「緑」をテーマにした作品が飾られていた。
*記念館が出来る前はこちらに原画なども置かれていた。
夏休み期間になると「サザエさん」展が開催され、とても賑わっていた事を覚えている。
そしていよいよ記念館の方へ。
ここは長谷川町子さん生誕100年を記念して2020年7月に分館としてオープンした(チケットを購入すると両方見学出来る)。
まだ真新しい建物にはフォトスポットもたくさん用意され、今風の仕掛けもあちこちにある。
*美術館の方は館内撮影禁止。
超わくわくしながら館内へ入ると、早速サザエさんたちが出迎えてくれた!
↑「サザエさん」と言えば日曜日夕方に放送され続けているアニメが有名ではあると思うが、私は断然原作漫画派(アニメも好きだけどね)。
さらに奥へ進むと漫画「サザエさん」を始めとした長谷川町子作品がデジタルで、そしてアナログで楽しめるようになっている。
↑手を消毒してから読みましょう。
↑デジタルで見ても美しい。
↑姉妹社初期の貴重なものも。
そして一画には磯野家が!
↑扇風機やテレビは昭和51年生まれの私ですら実際には見た事がないような古いものだったが、虫除けのために食卓に被せておくネットは祖母の家などで使っていたので懐かしい。
↑磯野家にお邪魔しました。
一階の展示の中ですごい!と思ったのがこちら。
カツオの落書きがデジタルで塀に浮かび上がってくるのである!
夢中になってしばらくここに留まってしまった。
そして漫画も至る所に展示されている。
*写真には原画は無いが(撮影禁止だった)、隅々まで手できっちり描かれている(文字も)事に本当に驚いてしまう。
表紙の絵も細かい色の指定(滲ませ方なども)がしてあり、感動。
↑初期(戦後すぐ)のサザエさん。
終戦の翌年である1946年から「サザエさん」連載開始。
配給やMPという戦後の日本ならではの言葉や、当時の生活様式についても知る事が出来る。
↑実はアニメ「サザエさん」とは微妙にキャラが違う、磯野家の面々。
かつて「磯野家の謎」という本が大ヒットしたのでご存知の方も多いと思うが。
ここからは企画展「いじわるばあさん」。
*↓には〜7月4日までとなっているが、緊急事態宣言発令を受けた休館により、9月26日まで延長(美術館で開催中の「深く息を吸って–緑の世界」も)。
ほのぼのしてると言われがちな「サザエさん」と比べ(とは言えじっくり読むと決して「サザエさん」もほのぼのとは思えないものがあるが)、家族にも他人にもキョーレツないじわるをかましてくれるいじわるばあさん。
明らかにやり過ぎだと思う事もあるが、「動物にはいじわるしない」というポリシーのばあさんの意地悪に思わず共感してしまう事も多い。
↑ウェイターくん、ばあさんに小生意気な事でも言ったのかい?
ところで、このばあさんのファッションがすごく素敵だと思うのは私だけだろうか?
絶妙なグリーンのスーツに茶の小物を合わせるとは!
バッグや靴がひと頃のクロエっぽいような…。
長谷川町子さんの作品に登場するファッションには子供の頃から注目していた。
サザエさんに至ってはお洒落してショーを観に行くほどのファッショニスタなのである。
夫はこの日ほぼ初めて長谷川町子作品(アニメ以外の)に触れたらしいが(うちにほぼ全作品あるのに!)、特に「いじわるばあさん」を「面白い!」と気に入っていた。
↑気をつけろ!
ぼんやりしてたらばあさんにやられっちまうぜ!
これにて記念館も鑑賞を終了。
しかし、一階にはまだまだ見逃せない魅惑の空間が待ち受けているのだった…。
↑実際にこの辺りに住われていた長谷川町子さん(&ご家族)。
「東京で住みたい場所はどこ?」と訊かれたら、昔から「桜新町」と答えていた私…。
開館日・アクセスなど詳しくはこちら!