架空シリーズ 偉人
『鶴亀亭 小楽』
鶴亀亭…いまやその屋号を聞くことはほとんどないが、80年代を過ごした方ならば、「懐かしい!」と膝を打つ事だろう。
落語家でありながら、バラエティ番組やニュース番組へ顔を出し、風刺を利かせた物言いで茶の間を沸かせたあの人だ。
また、彼がCMキャラクターで人気を博したお菓子『ちゃっちゃボーロ(みそ味)』は爆発的人気を呼び、当時のお菓子売り場の看板商品になった。
CMでのキャッチフレーズ「滑って転んでちゃっちゃさん」は当時の流行語大賞にもなり、老若男女問わず広く愛されたものだ。
本職の寄席でも、古典から創作落語まで多岐に渡り、観客を大いに沸かしたのも随分と懐かしい。
また『肩パッド写真集』や『ドアノブの鍵穴図鑑』『壮絶ないびきコレクション(VHS)』など、どの需要に刺さるか分からないものを好んで収集していた。
弟子を取らず、唯一無二の屋号でのしあがった彼だが、晩年は静かな所で過ごしたいと言い、信州の山奥へ隠居し生涯をひっそりと終えたそうだ。
自称メディア評論家の『藻仁田 巳照』曰く、「子供の頃、ちゃっちゃボーロ食べてたよ。やっぱりみそ味だね。白米味あたりから迷走し出してたけどね」と、四日市名物のトンテキ定食を食べながら答えてくれた。
今後も偉人調査を進めてゆきたい。