タイトル見た瞬間に観ることを決定した映画、

「小鹿のゾンビ」



邦題が秀逸👍

バンビがゾンビに、頭一文字変わるだけで大違い。

コピーもいいですよね。

せんべいだけじゃ、って奈良の鹿ですかい?😆🦌🍘

原題の方もBambi the Reckoning といい感じのものものしさです。


もちろんすぐさま、「プー あくまのくまさん」が思い出されました。

あんな感じで微妙な気の抜け感と多大なB級感にまみれた感じなのかな、でも

プーは二作目も出来て成功したなあ、とかなんとか期待感。

しかしあれ(プー)、私の期待とは全く違ってて、少しがっかりしたのでした。

Winnie the Poohまんまのプーさんが殺戮しまくると思ってたのに。

いくら版権切れたから作ったと言っても、そこまではだめだったのか、

それとも製作陣の思考はそんなじゃなかったのか。


小鹿のゾンビ、来場者プレゼントのポストカードもらいました😊

バンビ、可愛い。けどよく見たら不気味なとこが良いイラスト🦌



凶悪なおとぎ話、なのだということです。

本作のダン・アレン監督によると、

おとぎ話というものはもともと残酷なものなのだが、ディズニーがそれをほのぼのに変えてしまった。

それを今一度、本来に立ち返したい、と。(大意)

共感します。


実は私はディズニー版「シンデレラ」を知った幼稚園の頃にディズニーに対して恨みを抱いて以来、

半世紀以上ディズニー苦手で生きて来ました。


ディズニーアニメのシンデレラや王子様の衣装が現代風に置き換えられていて、

先にシャルル・ペロー版に基づいた本を読み、その挿絵に描かれている衣装に憧れを持っていた

幼稚園児としては、ディズニーの絵に対して、「こんなの、違う!(衣装の時代考証が無視されている!)」

という怒りで許せなくなってしまったのでした。

シンデレラだけじゃなくオーロラ姫の衣装や髪型にも不満だったし、白雪姫についても同じで、

原作イメージを破壊(と幼児には感じられた)しつくされているのが、人生経験の浅い子供としては許せなかったのでした。

大人になった今なら、まあ、ディズニーだからね、って思えるのですが。


映画の導入部分は、絵本を読み聞かせされているかのようです。

絵本チックな絵柄のシンプルなアニメーションで、人間に酷いことされたバンビがゾンビになって、

人間に復讐を誓うようになった経緯が語られます。

少年とお母さん(若い・美しい)がおもむろに登場して、実写本編スタート。

この二人以外の演技はとてもクサい。


いや、あと一人、大事な人がいました。

少し後に登場する少年のおばあちゃん(パパのママ)。

この方が素敵でした。


ちょっと認知力が落ちて来た?と周囲から重荷に思われている設定ですが、

ゾンビバンビの襲来以上の恐ろしいものがやって来そうな匂わせをやってくれたり、

深く色々知ってそうに、ゾンビバンビの絵を激しく大量に描きまくっていたり。

どの姿も絵になっていました。

(おばあちゃんの描いた鹿絵はどれもヘヴィメタルバンドのCDジャケットに出来そうでした)

そして最後に一発勝負のシビれる大活躍。

悪者の人間を退治してくれるのですが、それでおばあちゃんは判断力も衰えてなかったことがわかりますし、

ライフル銃をぶっ放した後の銃さばきと立ち方がかっこ良かったです。


ちょっと、「ローズの秘密の頁」のローズ(の年とってからの姿)を思い出しました。

この老ローズ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ、当時81歳演。若ローズはルーニー・マーラ演)

も周囲からは正気ではないと思われているにもかかわらず、

意思的な瞳としっかりとした立ち姿が印象的で、その記憶と重なりました。


すみません、肝心の小鹿のバンビの話に。

ゾンビバンビ、ラオウの馬くらい大きくて、車ひっくり返すくらい強いです。

口を開けばエイリアンみたいに糸を引く唾液?

これってきも怖いのの定番設定なのでしょうか。

「ジュラシック・ワールド/復活の大地」でもそんなのいました。


おとぎ話が残酷さを秘めていることを立証するかのように、お話が進むにつれて残酷なこと、悲しいことが次々と現れます。

人がゾンビバンビに次々と襲われるよりも衝撃的だったのは、少年とママを襲うワルくてチャラいならずもの集団のヘッドが実は、

少年の父でありママの夫である男だったことです。

家族への裏切りですね。

ゾンビバンビも人間に裏切られたようなものだし、信頼関係を平気で壊すことの醜さが見えます。


そしてもう一つ感じられたのは、親子の情。相対するものへの愛。です。

少年と母親、彼らとおばあちゃん。

ゾンビバンビと子鹿。

彼らを踏み躙るものは成敗されるのだ!


が、勧善懲悪すっきり爽快物語のディズニーとは違って、胸騒ぎのエンディング。

愛は確認されたけど、それを壊した者への復讐は忘れない、そんな感じ。

続きのお話、次回作があるのでしょうか。

ありそう。

作ってくれたら絶対観ます!🦌


鹿、ストーリー的にはゾンビではないと思うのですが、それでもバンビをゾンビにして邦題をつけてくれたことに感謝します。

それだけで最高でした。