新人弁理士後期研修2日目に出席してきました。

この日は猛烈な暑さで、電車の中は冷房が入っているのにサウナ状態です。
汗ビッショリのままで研修会場の砂防会館へ到着。
都心に通う方は、このような通勤地獄を毎日体験しているのですね。
自動車通勤5分の恵まれた環境にある私には、とても続けられません。

午前中の研修は、「当事者系審判(意匠)」です。
無効審判における無効理由と証拠収集で重要なことは、「証拠をうまくつなぎ合わせる手法を身につける」ことで、そのためには、「審決公報、判決文を多く読む(分析)」ことが必要である、とのことです。

この方法は、私が特許実務で実施しているのと同様な方法です。
共感が持てますね。

それにしても、意匠の類否判断は難しい。
経験がものを言う世界ですね。
これに対して、創作非容易性(3条2項)の判断手法は、特許法29条2項の進歩性判断手法と同様であり、私にとって比較的理解しやすいものでした。


午後の講義は「審決取消訴訟の実務」です。
講師の弁護士の方が、冒頭かなり厳しいコメントをおしゃっていました。
「訴訟の技術は説得の技術で、代理人は裁判官をいかに説得するかが問われている。裁判官の話によると、弁理士の主張がよく分らないので、もう少し裁判官が分かるように主張して欲しい。」

これは、法律の専門家である裁判官に技術内容をいかに理解させるかの工夫が足りないということです。
弁理士として肝に銘じて努力していきたいと思います。

私の経験でも、民法・民事訴訟法を理解している弁理士はそれほど多くなく、当事者主義と職権主義の実務での相違を正確に理解していない弁理士もいました。
大学院の同級生だった弁護士も、「弁理士を補佐人として仕事をした際に、民事訴訟法の知識が少ないので苦労したと」と言っていました。
弁理士も民法・民事訴訟法・商法の勉強は必要です。

審決取消訴訟で認容判決が出されるのは、「事実認定の誤り」が大半で、「事実認定は正しいが、当業者にとって容易に発明できたとの判断が誤り」が理由で審決取消となるのは、ほとんどないとのことでした。
これは、数少ない私の実務経験とも一致します。

「事実認定の誤り」で勝負せずに、「組み合わせの困難性」で勝負する弁理士がいますが、学者として新しい裁判基準を創設することの意義は別にして、実務家としては好ましいとは思えません。

後期の講義もあと半日で終了。
講義の成果を実務に役立てることに注力していきます。



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