オウム真理教を擁護していた統一教会の闇事情(4)

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地下鉄サリン事件から26年 ②統一教会 宗教新聞にてオウム真理教・麻原彰晃を擁護

cocoroさん記事転載加工あり。

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今日紹介します新聞は麻原彰晃を擁護するために、麻原彰晃本人のインタビュー記事を掲載した「宗教新聞」(1990年(平成2年)10月20日)です。

坂本弁護士一家失踪から1年、未だ安否もわからない時期ですが、当時各地で周辺住民とトラブルの絶えないオウム真理教は窮地に追い込まれます。

そこで擁護するために登場したのが島田 裕巳(しまだひろみ)氏をはじめとする専門家諸氏と保守系宗教団体です。

実はこの宗教新聞こそ、1980年代霊感商法で社会問題化した旧統一教会(天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合)が関連する宗教新聞社が発行している新聞なのです。

 

このときの背景を少し描いてみます。

1989年5月、オウム真理教の信者となった我が子の救出相談から始まった坂本弁護士の活動は、家族の会結成準備、裁判闘争の準備、信者と家族の対面申し入れ等々で埋められていきます。

10月からはサンデー毎日のオウム真理教批判のキャンペーンも始まり、オウム真理教の外堀が埋められ始めた正にその時、11月4日未明坂本弁護士一家失踪事件が発生したのでした。

坂本弁護士は、麻原彰晃の血のイニシエーションの元となった京都大学で分析したと云われる麻原の血液データーについて、京都大学に問い合わせそれが嘘だということを明らかにしたところでした。

10月30日に弁護士事務所を訪れたオウムの青山弁護士と激しいやりとりがあったようです。この打ち合わせは裁判の和解をオウム側青山弁護士が申し入れてきたという体裁を取っていたようですが、実はジャーナリストの江川紹子氏が、坂本氏の同僚弁護士から聞き取った調査によれば、約束していない早川総務部長上祐外報部長が一緒に来ていて、「被害者の会を続けるのならば子を使って親を訴える」と恫喝してきたのでした。

帰り際、上祐外報部長は「信仰の自由はあるのだから」と捨てぜりふをはいたのですが、「人を不幸にする自由は認められない」と坂本弁護士は言い返したのですが、怒りと疲れの入り交じった様子だったようです。

そして三日後、坂本弁護士宅に6名のオウム信者が押し入り1歳の幼子、坂本弁護士夫妻の3名を殺害し遺体を車に乗せて逃走したのでした。

 

当時、オウムがかかわった可能性が高い、しかし証拠は部屋に遺されたオウムのバッジ一個で、これだけで犯人確定は難しい状況でした。しかし、オウムの施設や施設建設予定地周辺住民から反対運動が巻き起こり、オウム真理教は社会的孤立を深めていくのでした。

このとき、信者と家族の問題で同じ匂いのするオウム真理教に助け船を出したのが、統一教会だったのです。

この宗教新聞の記事の冒頭の紹介文です。

 

「オウム真理教というと、あの坂本弁護士一家失踪事件以来、反社会的イメージが定着してしまった。ただ、同弁護士と衝突していたという理由だけで、一方的に犯人扱いするのは間違っている。恨みを受けた過去の経歴もあるだろう。深夜音も立てずに拉致が行われたというのはむしろカギを持ちうる立場の人物か、信頼しきっていた人物かの線が濃厚であろう。そこで未だ報道されていないオウム真理教の教えの根本や活動について、教主の麻原彰晃師に聞いてみた。場所は富士宮市のオウム真理教本部。」

 

現場に遺されたバッジの問題を、カギの問題にすり替えた「宗教新聞」

 

実は、カギの問題は逮捕された実行犯の供述によれば、カギはかけられていなかった、というのが裁判での到達点で、未だ真相は隠されているという見方もあるようです。

オウム真理教側は坂本弁護士一家失踪事件について、現場の部屋に遺されたオウムのバッジについては全く関係ないと反論しつつ、合いカギ問題に論点をすり替え、合いカギを持ち得た近しい人物が怪しいという方便を繰り返していたのでした。

1991年3月に発行された「救世主の野望江川紹子著の中で、拉致現場となった坂本家に遺されたオウムのバッジ(プルシャ)について、

この事実だけで、「オウム真理教が組織的に坂本一家を拉致した」と叫ぶつもりはない。この私に犯人が断定できるくらいなら、とうの昔に事件は解決していたであろう。

 

と、彼女が一方的にオウム真理教を断罪する立場にないことを明確にしながら、オウム信者でなくても、バッジが容易に入手できる立場にいた人間について、オウム側は協力すべきだと主張したのでした。

江川紹子氏によれば、オウム真理教を擁護する立場の人間でさえ、遺されていたバッジの問題はひっかかっていたとのことです。

 

ということを考えますと、新聞の冒頭の言葉をお借りすれば、「宗教新聞」の一方的なオウム擁護の姿勢が浮かび上がってくるのです。紙面上のインタビューで宗教論議はいいですが、少なくともオウム側を信頼するならば、疑念を晴らすべく、バッジの出所について調査をすることを確約させて記事にすべきでした

 

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参照

坂本弁護士一家殺害から25年 事件は体の一部になった ジャーナリスト江川紹子さんが思い吐露

https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-53428.html

 

オウム暴走の原点 「坂本弁護士」自宅の鍵はなぜ開いていたか

https://www.dailyshincho.jp/article/2019/01070557/?all=1&page=2

 

オウム真理教を擁護していた統一教会(1)<転載

https://ameblo.jp/mikan-ha417/entry-12035156241.html

 

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