おはようございます。


想いも夢も、
元気な心と身体があってこそ。


みかさんです。





映画を見ながら、いつのまにか
夫の最後の時のことを思い出していました。




映画が終わると、
暗転のまま、長谷川ひろ子監督が
静かにお話を始められます。


そして、臨終体験というものがあります。

命が消えてなくなるその瞬間。
最後のひと呼吸。
もう息をすることはない。
明日が来ることはない。
その想いを味わう…




夫が子ども達に見せた、
父親としての、最後のひと呼吸。



誰に、どんな風に看取られるのか。
どんな想いで逝くのか。


それは、
故人がちゃんと決めて逝くのだそうです。 




わたしと二人きりで過ごした
最後の静かな時間。

最後、家族みんなに看取られて。







でも、
どんな想いで逝ったのか…
それが、ずっとずっと
わからないことでありました。



何かを言い残すわけでもなく、
貝のようにずっと黙って逝った夫。


突然自分の死期を知らされて…

わたしへの不信感。
怒りだったのではないか…


ずっとその事が自分を責めていました。









映画の中の長谷川監督のご主人の
ドキュメンタリー映像は、
お元気にお仕事をされていたお姿と、
亡くなる少し前のご様子と
臨終後のご主人とご家族の様子でした。


わたしは、もっと闘病の様子が
延々と続く映画だと思っていたのです。



でも、この数少ない場面が
我が家の夫の姿と子ども達の姿と
本当によく似ていて、重なって


だからこそ。
看取り直しができたのです。

もう一度、夫を看取ることができました。







長谷川監督のご主人は、
漢方医として、癌患者と向き合い、
生還された方もたくさん
いらっしゃいました。

そのご主人が残された手記のご紹介があり。

わたしは、死に臨んだ夫の
本当の気持ちを知る事ができました。




就寝時に、死に対するとめどない恐怖感が不意に襲って来た。
理性では制御できないものだった。
この底なしの恐怖感。これが癌患者につきまとう苦しみと知った。

以上、抜粋。



そして…妻や子ども達への愛情と感謝。




それで、わかったのです。

夫が貝のように口を開かなかった理由が。



もっと短期間に
こんな感情を味わっていた夫。



死に様として、
この恐怖や苦しみの感情を
淡々と押し黙って耐える事が
私たちへの
最後の愛情だったのだと知ったのです。



泣き言や苦しみに
取り乱す事があったとしたら、
その姿が私たちにずっと残るのです。



でも、夫はずっと耐えていたのだと
思います。
残される私たちのために。


そして、「その日」を選んだのは、
自宅に帰る事で、
わたしにこれ以上の
負担をかけまいとしたのではないか。



それは、
いつも自分のことは後回しにして、
人のために尽くして働いていた
夫の生き様そのものでした。





それが、
夫のわたしへの愛情だったのです。












今日も、ありがとう。
いつも、ありがとう。



愛しています。