『乳頭再建』の症例写真のご紹介（本症例に関わられた福田越先生が開業されます）

みかこクリニックでは『乳頭乳輪再建』の手術も行っています。乳頭乳輪再建については、過去にこのブログで詳しく記事にしてきましたので、ブログをお読みになられた方からご相談をいただくことは時々あるのですが、実際に手術に至ることはさほど多くはありません。

人工物再建の場合は特にそうですが、長期に渡りフォローアップを受ける必要があるため、主治医との関係が非常に大事になります。関係が良好で、明るく「乳頭再建だけ他院で受けてきます！」と言える雰囲気だと良いのですが、実際には難しい場合があるようです。私としても、患者様と主治医との良好な関係が保たれることを望んでいますので、私から当院での乳頭乳輪再建の手術を強くお勧めすることはありません。むしろ「主治医の先生には事前に了承を得た方が望ましいと思いますよ。」とお伝えすると、「それは難しい…。」と悩まれた末、最終的に当院での手術は見送るというケースはままあります。

今回ご紹介する患者様は、たまたま主治医となった形成外科医が乳房再建が得意分野ではなく、またあまり熱意もなかったそうで、「エキスパン―を入れておくぐらいはできるよ。その続きは別のところでやってね。」といった感じで手術が決まったそうで、再建方法については患者様が独自に調べて、納得のいく方法をご自分で決められたそうです。

その結果、患者様は「脂肪注入による乳房再建」を希望して、当時『ザ・クリニック』に勤務されていた福田越先生の手術を受けられたそうです。福田先生には、私も過去に私の患者様の手術をお願いして、その手術の見学に行ったことがあります（記事はコチラ）。福田先生は麻酔科のご出身で、安全性にも配慮しつつ再建にも熱意をもって取り組んでくださるので、その後も何度か患者様をご紹介しています。

そのような経緯で、すでに脂肪注入での乳房再建が終了していましたので、あとは「乳頭乳輪再建」を行えば再建は完了するという段階でのご相談ということになりました。

「乳頭乳輪」の再建方法については、「乳頭」は健側からの乳頭移植、「乳輪」はタトゥーを希望されました。乳輪のタトゥーについては他院で行うことを予定され、施術者の診察も受けているとのことでしたので、当院では「乳頭再建」のみを行うことになりました。

それでは、当院での乳頭再建の経過についてご紹介したいと思います。

（私の個人サイトにリンクしています）

↑ 術前の状態です。

健側の乳頭から半分組織を採取し、移植しました。

↑ 移植側の経過写真

↑ 健側採取側の状態です

↑ 術後６週目の状態

完全に上皮化するまでに約５週間を要しました。

乳頭は全て生着して高さも保たれています。

患者様からは、「乳頭再建に関しての情報が少なくて困った。自分の経験が誰かの役に立てば」と、このブログでご紹介させていただくことをご了承くださいました。乳輪のタトゥーが完成したら、その経過も見せていただけるそうですので、無事に終了することを祈りながら、楽しみにお待ちしたいと思います。

ところで、今回の症例で「脂肪注入による乳房再建」をご担当された福田越先生が独立開業されました。クリニックの名前は『Lipo Clinic Omotesando』。ホームページはこちらです。最新の設備で、脂肪注入による乳房再建にも力を入れられるとお聞きして（脂肪注入による乳房再建のページはこちら）、私もぜひ応援したいと思い、勝手にご紹介させていただきました。

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