そのなかでとりわけ各国で熱い視線を注がれ

 たのが、男子フィギュアスケートの羽生結弦だ。

 94年ぶりとなる五輪3連覇がかかっていた27歳は、 ショートプログラムで4回転サルコーが

 1回転になるアクシデントもあり、

 最終的に4位と表彰台にも立てなかった。

 しかし、フリースケーティング(FS)では、

 回転不足で転倒したものの、

 ISUの公認大会で初認定となり、

 フィギュア界に新たな歴史を刻んだ。


 大会後のインタビューでFSの前日に右足首を捻挫

 し、痛み止めの注射を打っていたと告白。

 また、エキシビションでは、通常4錠服用している

痛み止めを6錠に増やしたとも明かしている。

 痛みをこらえながらも、貫禄の滑りを見せた

羽生には、中国メディアも賛辞を送り続けている。


現地時間2月23日に中国のポータルサイト『新浪体育』は、「ユヅル・ハニュウは男子シングルの公演後、6錠の鎮痛剤を飲んでエキシビションに臨んだ」と銘打った記事を掲載。そのなかで「アスリートは、多かれ少なかれ職業病を患っており、怪我をすることもあるだろう。なぜなら、トレーニングに熱心に取り組んでいるからだ」と記し、こう続けた。
 「ユヅル・ハニュウは、彼が挑戦したい4Aを完成できなかった。五輪3連覇も逃してしまったのは、非常に残念だが、彼のスポーツマンシップは、誰もが学ぶ価値がある。彼のフィギュアスケートへの情熱は非常に高く、誰もが彼を尊敬している。多くの人が(3月に行なわれる)世界選手権に出場してほしいと願っている。もちろん、ユヅル・ハニュウが十分な休息をとることを前提としている」

気になる今後について本人は、「フィールドは問わない。アイスショーなのか、競技なのか、いろいろ考えたうえで、羽生結弦のスケートが好きだと思ってもらえる演技を続けたい」と語っている。現役引退の可能性も小さくはないが、これからも「羽生結弦のスケート」を楽しめるだろうか。27歳の決断が注目される。

構成●THE DIGEST編集部