ザラストロとはゾロアスター：ツァラトゥストラのことだという説がある。
また、シカネーダーとモーツアルトの加入していたフリーメースンの首領がモデルだという説もある。
どこの本にも書いてないけれども、モーツアルトのオペラの特徴で主役のほかに重要な脇役がいる。
魔笛のパパゲーノ、フィガロの結婚のケルビーノ、後宮からの逃走のオスミンのような。
そしてひとりの主役が延々と舞台に立つようなことがない。
例えばカルメンのドン・ホセや椿姫のヴィオレッタはかなり出ずっぱりだがモーツアルトではそういうことはさせない。
歌手の疲労を気遣ったのかどうかは知らない。
魔笛の主役はタミーノとパミーナ、そして夜の女王だろうか。
夜の女王は3回出てくるだけだが、超高音域を駆使するふたつのアリアで強烈な存在感を示す。
200年以上前にあれを歌えるソプラノがいたと言うことになる。
ともあれ、オペラは写実でもなければ解説でもない。
筋立てが荒唐無稽でもなんでも、魔笛の音楽は文句なしに素晴らしい。