夏目漱石 | miguel664のブログ

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なぜかわが家に夏目漱石全集がある。

だいぶ前に一度読んだ。

ふと思い立って、先月から読み返している。

といってもほとんど初めて読む感じである。

それから、行人、三四郎、草枕、二百十日、野分、道草、門、虞美人草、明暗、そして先ほど彼岸過迄を読み終えた。

それぞれのことは書かない。

漱石の作品に出てくる人物は行動力がないというか、何やら煮え切らない男が多い。

それに対比して、直情径行のような男も配してある。

漱石は煮え切らないほうに同情を持って描いているいるように読める。

女はおおむねさばさばとして行動的である。

そして高等遊民というものがしばしば出てくる。

作品中にそう書いてなくても、そういう立場の人がいる。

また、前記煮え切らない主人公たちも大学は出たけれど、いまだ定職なしというものがいる。

彼らは食うための仕事になど就こうとはしない。

そういうものを軽蔑しているかの感もある。

明治の人たちには、天下国家のために何事かなす、というものでなければ男子一生の仕事にあらず、という気概があったのかも知れない。

今はどうだろう。

遊民などというものがあればそれだけで低級なもので、現代用語ではニートとかパラサイトシングルといわれる。

高等遊民などといえば自家撞着である。



せっかく漱石を読んだのに感想がこれでは、という気もする。