輪違屋糸里 | miguel664のブログ

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浅田次郎の「輪違屋糸里」を読んだ。

新選組の初期、芹沢鴨が暗殺されるまで。

新選組は、将軍警備のため浪士隊が上京し、分裂して京都に残った芹沢一派と近藤勇の試衛館一門とで発足、近藤派が芹沢派を粛清して隊内を掌握した。

一般的に芹沢は酒乱の乱暴者ということになっている。

しかし、歴史は常に勝者の側から書かれるので、芹沢側の言い分もあるのではないかという見方は以前からあった。

この小説はその立場で、しかも女を主人公として書かれている。

浅田次郎の新選組話はこの前に「壬生義士伝」があって、南部藩脱藩隊士吉村貫一郎が主人公。

いずれもそれまでに誰も取り上げなかった主人公で、誰も書かなかった新選組物語を書こうと言う意図が強く感じられる。

が、しかし、これらの話はどうにも無理がある。

筋立ても大いに不自然だ。

歴史小説は作者がこのようなことがあったのではないかと想像して書くことが多いと思うが、この小説は作者自身夢にも思うまいと言う気がする。

糸里は島原の天神の名前。

ほかにもう一人の天神と太夫、八木と前川のおかみ、菱屋のお梅など女が沢山出てきてかなりの役回りを演じる。

ということで、映画やテレビの原作をねらったのではないかと思われる。

事実テレビドラマになったらしい。