先月行けなかった「肉の日」…今年の2月は28日までで「ぎゃっ!肉の日がないぃ!」とガックリしていたら、近所に住む幼馴染みが教えてくれました電話

「あーたサ、今日・肉の日だけど、おぃちゃんとこ、行く?」

「えっ?2月9日で…肉の日?」

「そうよ!29日は毎月あるけど、2月は1年に1回しかない貴重な肉の日なのよ。一緒に行こうよ」

「そうなんだぁ~一緒に行くほどのイベントでもないんじゃない?」

と言いつつ…なぜか幼馴染みと肩を並べて肉屋に向かっているおばさんふたり…

「あちしね、昨日、3歳くらいの男子からおじちゃんって呼ばれてサ、しかもその後にショウくんのおばぁちゃん?って訊かれて、落ち込んじゃったわよ」

「その…ショウくんて誰?」

「知らんわ!」

「その子の基準ってサ、性を超える柔軟さだわぁ~」

感心してる場合か!

「あれ?ふたりしていらっしゃい!」

「今日のお勧めは?1年に1回しかない肉の日って聞いて遠路はるばる来たんだよ」

「遠路はるばるねぇ~路地のそっちとこっちだろ?今日はね、宮崎牛のミスジがお買い得品!買って行こう、おふたりさん」

「1枚、消費税込みで1000円?」

「消費税は別!たまにはサ、旦那に和牛の旨いとこ食べさせよう」

「うちはね、1枚じゃ足りないわ。あきら(ひとり息子・美大院生・26歳)だったら3枚は食べるモン。宮崎牛の大きめの切り落しってないの?」

「宮崎牛かぁ~今サ、巨人軍ね、宮崎県で春季キャンプ中なのよ!ここは宮崎牛、食べるっきゃないわ!」

「そうだよ!ジャイアンツの選手だってサ、ぜったい筋肉作りに宮崎牛食べてるよ!おみえちゃんも宮崎牛食べてジャイアンツ応援しないとな」

「おーっ!」

  

宮崎牛・1枚買って参りました!

何せ今年こそ我らが東京読売巨人軍を日本一にしなきゃなりませんからね、奮発しちゃいましたよ!

「パパとあきら連れて家族全員で食べに行こうかなぁ~何時ごろ焼き上がる?」…切り落としを買った幼馴染みが恐ろしいことを呟いてます。

しっかりと戸締りして居留守を使おう!

ドアは閉めても、赤ワインは開けちゃおう!

う~んジューシーだわぁ~

これで開幕戦に向けて全力で巨人を応援できそうです。

実は肉屋に寄った帰り、幼馴染みとぶらぶらと深川・富岡八幡宮さんに寄って手を合わせて来ました。

昨日のことになりますが、2月8日は「針供養の日」でありました。

実家の近くにある富岡八幡宮さんにはデンとした針供養の石碑がたっております。

折れたり曲がたりで使えなくなった針を、寺社が用意した軟らかな豆腐やコンニャクなどに刺して労わる「事八日(ことようか)」の行事とされています。

昔は納められた針は、この塚の下に埋められ供養としたと聞いていますが、今はしっかりとフタをされてしまっているので、はて針の行方は如何に?

今年も納めて供養して頂く針を持たぬ1年でありました。

昔は普通の主婦でも和裁や洋裁をこなして家族の浴衣や洋服を縫ったものでした。

町内に和裁のお針子さんが住んでいて、日本橋・三越百貨店から請け負うほどの腕であったと聞いたことを覚えています。

大そう高価な反物が届きますから、子どもは出入り禁止となっていて玄関には鍵が掛けられて、回覧板などは外の戸に立て掛けたことまで懐かしく思い出しました。

わたくしの母親も和裁は大した腕を持っていたようで、わたくし自身も物差しで叩かれながら針を持たされ、雑巾の運針をさせられたものです。

けれども洋服となると夏のアッパパのような簡単なワンピースのみ!襟もなければポケットもなかったように思います。

針を持つことが少なってしまった・わたくし…針供養する針がないことを母に叱られそうです。

石塚の前はひっそり…コロナ禍とわかっていても、ちょっと寂しい。

 

『この道で生活を立てし針供養』

(このみちでたつきをたてしはりくよう)

高澤良一