日本列島・太平洋側に台風16号が北上中の天気図がテレビ画面に映し出され、関東・東京でも明日・10月1日は大雨・強風の予報が出ております。

明日からは神無月(かみなづき)となります。

読んで字の如し…日本中の神様が出雲大社にお集まりになり、縁結びのご相談をなさるとかで、ひと月の間、地元の神社の諸神様はおられません…従ってお賽銭を上げて二拝二拍手一拝して願い事を唱えても聴いて下さるのは「留守神様」でございます。

昔、それも大昔…氏神様である深川・富岡八幡宮様へは、その月のお朔日(おついたち)である月次祭(つきなみさい)や十五日参りなどは欠かさず母親に連れて行かれたものでした。

「いいかぃ。自分の願い事は自分で努力をして叶えなきゃなんないよ。日本が良い国に成りますようにと祈らなきゃいけないよ。願いと祈りの違いをよぉ~く弁えてから五円玉をそっと入れるんだよ、分かったかぃ?」

母親は、わたくしに諭すように申しておりました。

「良い国にするのは何も特別なことをするわけじゃない。悪い事さえしなきゃ良いんだ」

 

「三つ子の魂、百までも」のことわざがあります。

コレ、頭に摺り込まれていますからね、台風がやって来る前に神棚に供える「お榊」を買いに行って参りました。

八幡様へのお参りは台風一過、爽やかな秋空が戻って来てからに致しましょう。

こうして用意を整えておけば、台風が来ても慌てずに済みます。

「良い国になりますように…」

  

午前中、お榊を買いに出掛ける・ちょっと前に近くに住む幼馴染みから電話がありまして、お願い事されちゃいました電話

『明日から公開になる映画、「護られなかった者たちへ」の原作本ってある?中山七里のなんだけど…佐藤健・主演だからかなぁ~図書館にないのよ、借りられちゃって。あったら持って来て。お蕎麦、ご馳走するから!』

「中山七里ね…あるよ!3年ぐらい前に出版された社会派ミステリーでね、生活保護制度の欠陥に迫る384ページの長編で、なかなかリアルな筋立てだけど、あーた最後まで読める?」おとめ座

『それって…佐藤健が殺人犯なの?阿部寛が刑事役だよね?』

「観てないから知らんわ!で・お蕎麦って、あーたが作るのなら行かない」おとめ座

『㐂(き)のしたのお蕎麦。今日までなのよ、すだち蕎麦。この間はサ、今年最後の冷やし中華、食べたじゃない?日本蕎麦の最後も楽しもうよ。冷やしたぬきとか冷やしきつねじゃなくて、すだちってところに意味があるのよ』

どんな意味があるんだか…解らん!でも、久しぶりに㐂のしたのお蕎麦・食べたいなぁ~

「良いよ。買い物にも行きたいし。現地集合で良いの?」おとめ座

『うん。お昼前の11時半ごろで大丈夫?』

「ごろじゃなくて、11時40分に決めようよ。お財布、忘れないでよ」おとめ座

『一応、あーたも多めにお財布に入れ…』

最後まで聞かずに受話器を叩きつけて置きました。

中山七里・著『護られなかった者たちへ』…戦後から高度成長期になり豊かになったと言われる庶民の暮らしもバブルが弾け、大きな災害に何度も襲われ、底辺の人たちに行き届かない行政が行う支援の歪んだ仕組みを描いた作品です。

東日本大震災から10年目の仙台で全身を縛られたまま放置され「餓死」させられるという残酷な殺人事件が続けて起こります。

もう誰にも、どこにも縋れない者たちが最後の砦となる生活保護受給を受けたいと行政の受付を訪ねるのですが…殺された被害者は、その頼って来た生活保護者たちを本当は護って行かねばならぬのに、提出された申請書類を重箱の隅を突つくようにして難癖を付け、数多くの者たちを切り捨てて来た職員ふたりでした。

   

のれんを分けてお店に入ったら、いた!

呑気に手を振っとるわ。

「歩いて来たら汗かいちゃった。今日って暑いよね?すだち蕎麦・食べるのにピッタリの天気」

「あちしはね…カレー蕎麦」おとめ座

「はっ?すだち蕎麦を食べようって会なんだよ。なんで熱いカレー蕎麦なの?」

「その、なんとか会ってなんなの?不確かな味を求めるより、確かな味を追求したいよ。ここのカレー蕎麦、美味しいもん」おとめ座

「本!見せて」

「カレー蕎麦食べて、お店出てからね」おとめ座

「そんなに私って信用ない金庫?」

「なんだ、それ?ないよ。映画のチラシ見ながら食べようよ」おとめ座

「殺人事件の容疑者になるのが佐藤健ね。倍賞美津子が演じる老婆が物語の重要人物になるのよ。この吉岡秀隆と永山瑛太が職員役かな?原作にはね、この清原果那が演じるような人物は登場しないんだけどねぇ」

「瑛太って芸名変えたんだよね。この映画の主題歌って桑田佳祐が東日本大震災の被災者へエールとしてライブで送った歌なんだよ…月光の聖者達・ミスター・ムーンライトって曲」

「お待ちどうさま、すだち蕎麦です」

スゴイ!冷たいすだち蕎麦!

輪切りのすだちが丸々1個入ってるんだそうです。

蕎麦を啜る前に、輪切りのすだちをバクバク食べてるよぉ~

「ちょっとぉ~普通サ、蕎麦を先に食べるよね?」おとめ座

「このすだちね、国産でノーワックスだから皮まで食べられるんだわよ」

「いや…そういう問題じゃないでしょ?すだちが食べたきゃサ、八百屋で買って齧りなって…」おとめ座

「サッパリして美味しい!」

「ウソだぁ~!」おとめ座

「お待たせいたしました。カレー蕎麦です」

これこれ!

昔なら、カレーと蕎麦を合わせるなんて、きっと邪道だと言われたことでありましょう。

カレーが好きな日本人が考えた絶妙なる取り合わせであります。

今では無性に食べたくなる、日本人になくてはならぬ逸品です。

「こんな暑いのにフウフウ言って食べる気が解らんわ。すだち1枚・入れてあげようか?」

「カレーのおつゆ、ぶっかけるよ」おとめ座

「でもサ、あーたの良いところって、ご馳走してくれるって判ってても値の張る天せいろと鴨南蛮とか頼まないとこだよ。そこだけはエライ!」

「それだけあーたを信用してないってことだわよ。いきなりサ、やっぱ割り勘にしよって言い出すんじゃないかとヒヤヒヤだよ」おとめ座

しかし…いつも通り、美味しい!豚肉もネギも噛むとじわーっと旨味がしみ出してカレーと合うぅ!

「やっぱサ、私もカレーうどんにすれば良かったなぁ~」

この幼馴染み…いっつもこうやって後悔ばかりしてるんです。

「ねっ!映画いっしょに観に行こう」

「観に行かない。原作でじゅうぶん堪能できる。あの悲惨な光景は映像よりも活字で想像した方が、あとから胸にグサッと来るよ。あーたも本読んでから決めたら?あきら(幼馴染みのひとり息子)も読むと思うよ。あいつサ、中山七里の作品、けっこう読んでるから。もう読んじゃってるかも」おとめ座

コロナ禍で公開が大幅に遅れた作品であります。

「るろうに剣心の佐藤健は1ミリも感じさせないね、この写真。ホッペに十文字の傷がないもん」

そりゃぁそうだろぉ~!

なんだかスローペースと言うか、天然マイペースの幼馴染みに癒されています。

どうも、ごちそうさまでした!