昔「みんなの歌」で堺マチャアキさんが歌っていた、あの「北風小僧の寒太郎」が東京の街までやって来て、ヒューンヒューン・ヒュルルンルンと口笛を吹いてるいるような冷たい北風が、朝から渦を巻いております。
確か、昼前には雨も降って来るとの予報であったような
こんな日は家にこもって、布団の中で読みかけの本を読むのが、いち番でございます
ですが…こんな日だからこそ、きっと映画館は空いている!と思い、パソコンで上映館の混み具合を見ましたら…予想通り、チラホラしか埋まっておりません
後方の端っこの席を押さえ、クリック!
「それっ」ってなもんで、ぼさぼさの髪の毛は帽子で隠し、すっぴんの顔は大きめのマスクで覆い着替えもそこそこに家を飛び出しました
どうせ映画館は真っ暗になってしまいますから、厚化粧してようがひょっとこのお面を被っていようが分かりゃしません
「おっととぉ~」
忘れちゃいけない・シネマ・マイレージカード…ついでに雨傘も…慌てて取りに戻りました
上映時間までの1時間をちょびっと切っております
「閉所恐怖症」であるわたくしはエレベーターに乗るのが怖く、非常階段を使って12階を行き来しておりますが、こんな非常時に文明の利器を使わなくて、どうする?と自分で自分を鼓舞し「」のボタンをエイッとばかりに押しました
寒いせいか、電車の中はモコモコに着ぶくれた人たちばかりで助かりました。
わたくしのあまりにも地味過ぎる格好はダサい・野暮を通し越し、手すり棒や吊革のような「無」の存在になっちって、まったく目立たずスィスィと東西線から銀座線に乗り換え「三越前駅」の改札をピッと抜け、室町コレド2の東宝シネマズ・カウンターの前に立ったのが開演・10分前の到着と言う神業。
トイレに寄る余裕もある快挙となりました
実は今日駆け込んだ映画『女神の見えざる手』を観るのは2度目でして、シネマ・マイレージのポイントが6ポイント溜まりましたので、1本無料で観られる特典を活かそうと思い、日本橋・室町コレドのTOHOシネマズにやって来た…わけであります
わけでは・ありますが、もうひとつの理由の方が重要でして、物語の冒頭から目を見張るほどのスピードでまくし立てる会話と専門用語が飛び交い、早すぎる英語がイマイチ理解できず、字幕の文字を追っているうちに、後半になって活きてくる幾重にも張り巡らされた伏線がまったく解らぬまま前半の30分ほどが過ぎてしまったのです
主人公・マデリン・エリザベス・スローンを演じるジェシカ・チャスティンが本当に素晴らしく、原題の『miss・sloane(ミス・スローン)』のまま公開した方が格調高かったのでは思うほどの「miss・Sloane」を演じ切っております
真っ赤な口紅!真っ赤なマニュキア!真っ赤なピンヒール!
一流ブランドの服をサラッと着こなし、天才ロビイストと恐れられているエリザベス・スローンは毅然と前を見据え、まだまだ男社会である政治の世界を闊歩して行きます。
カッコ良いのなんのって
それがマデリン・エリザベス・スローンの私生活から次第にグラつき始める展開になっていくころは…わたくし、すっかり物語にのめり込み自然と体が前のめりになっていました。
政治を裏で動かすと言われている「ロビイスト」と言う職業は日本では馴染みがありませんが、オリンピック誘致、トランプ大統領の当選など国の在り方さえも彼ら・ロビイストの活動によるものと言われています
物語は全米・約500万人の銃愛好者と、莫大な財力を持つ敵陣営を相手に、完璧なまでの戦略で戦っていく彼女のチームを描いています
銃の購入者の前科をチェックするヒートン・ハリス法案の可決を通そうと、ロビイ活動を繰り広げるエリザベス・スローンのチームの前に立ちはだかるのは、銃産業の大企業に依頼された、こちらも敏腕なロビイストたち…彼らはほんのちょっと前まで一緒の会社で共に活動して仲間たちであります
お互い手の内は知り尽くしている攻防戦は、上質なサスペンス・ストーリーを観ているよう
どんな苦難にも怯まず立ち向かって行く「miss・Sloane」…逆転に次ぐ逆転の結末
前半の散りばめられた彼女の大胆な戦力とアイデァは、物語の後半になって見事にある時間・ある場所にピタピタっとハマって行きます
観ているこちらは、その伏線回収に、俳優たちのセリフと場面を逆転させて思い出さねばならず…チンプンカンプンのところがあります
でも、観終わったあとの清々しさは何がなんだかよく解らなかったところもあるけれど、すっごい面白かった・のひと言でありました
で・今日は、その解らなかった前半30分間に集中いたしまして観ましてございます。
「あっそうか!これは、あとになってあの場面で活きてくるんだ」
「おっこれが物語の要となる伏線になってたんだ」
「これこれどうしても解らんかった・これこうつながっていくのかぁ~」
「なんで5年?って思ってたけど、なるほどねぇ」
2度目でようやく納得したおつむではありますが、ラスト…聴聞会での「miss・Sloane」の演説とその後の姿には何度観ましても、きっと心底、感動することと思います。
今年・2017年度のイチ押しの映画でございます。
冒頭の30分間、息をするのも忘れてご覧くださいませ。
こちらはトム・クルーズ主演のアメリカ映画『バリー・シール』…嘘みたいにぶっ飛んだ実話の映画化だそうです。
畳・5枚分ぐらいはあろうかというのスクリーンが掛けられていまして、配給会社の気合いを感じる広告であります
でっかいトム・クルーズの前を「失礼!」と素通りして出口へと向かいました
同じ室町コレド2の地下に出店しているモロゾフの「窯だしチーズ・タルト」に季節限定のりんごが売り出されていました
真っ赤なラベルが気に入って買い求め「おひとり様・お茶」を楽しみました。
わたくしが身に付けて映えるものと言ったら、口紅でもマニュキアでも、況してや腰痛持ちなのでピン・ハイヒールなどとても無理な話であります。
まぁ~精々が東京・巣鴨で売っている幸運を呼ぶと言われる「赤パンツ」と言ったところでありましょうか。
「がんばりまぁ~す!」