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  前回の釣行で一つ気になる事があった。
  岩の間に、クモの糸が一本張られていた事だ。
  
  この時期にはこれまでになかったので、違和感を感じていたが、
  今回行ってみると、もう十数個のクモの巣が張られている。
  キャストに支障はなかったが、歩く際に何度かひっかかってしまった。
  水苔も青々(緑)としている。
  温暖化の波は確実に渓にも及んでいる気がする。

  減水が進み、ポイントは浅い。
  アタリがとれず厳しい釣りになる。
  餌を変え、オモリを変えるが、なかなか掛からない。
  気温が上昇、中層に上がってきた魚を狙い、軽いオモリで落ち込みの流れにのせると、
  ようやくヤマメがかかった。
  
  ハリが口の中で下あごに掛かっている。珍しい掛かり方だった。
  これが本日唯一の釣果。

  岩に腰をおろし、ひと息ついて空を見上げると、青空が広がっている。
  日が渓に反射して、目にきらきら眩しい。
  山のカラスが飛んできて、枝に止まろうとしたが、
  私を見つけて慌てて引き返して入った。
  先住者にとって釣り人は、歓迎されない侵入者だ。


  竿:6m 仕掛け:糸0.3×3m ハリ:赤袖7号 オモリ:ガン玉1号 エサ:キジ