報道によると2026年度末で手形と小切手がなくなるのだという。俺は、今、簿記3級の勉強をしているが、この簿記3級では手形も小切手もバンバン出てくる。このすべてがなくなるなんて信じられない気持ちだ。
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そういえば、昔、勉強した手形小切手法には「河本フォーミュラ」なんていうのもあった。あれはいったい、なんの話だったっけ?
AI(マイクロソフトのcopilot)に聞いてみたけれど、『「手形法における河本フォーミュラ」という理論についてですが、法学や金融法の分野で特定の認知された理論や手法として広く知られているかどうかが不明です。この名称や理論が具体的に何を指しているのか、またどの文脈で用いられているのかを確認したいところです。』だそう。
気になったので、月曜日に、実家に帰った時に、昔のノートを出して調べてみた。「河本フォーミュラ」っていうのは融通手形に出てくる話だった。
融通手形っていうのは、こんな話。
「Cさんから100万円を借りたいBさん。担保はない。そこで、Aさんに頼んで、Bさんあてに100万円の手形を振り出してもらう。BさんはそれをCさんに裏書きして渡す。満期にCさんはAさんの手形から100万円を回収。Bさんはそれまでに、Aさんに100万円を渡しておく。」
問題となるのはここから。
「ところが、Bさんは満期までにAさんに100万円を渡さない。Aさんは当然、Bさんには手形のお金なんか払わないって言えるけど、手形所持人のCさんにも「払わない。」って言えるのか。」
手形法の17条には、手形は流通するのが当たり前だから、前の手形所有者には文句が言えても、その次の所有者には文句言えないよ。基本的にAは払い損しろ、ということが書いてある。ただし、あとの手形所有者Cが、手形振出人Aに損させることを知って、前の手形所有者Bから手形を受け取った場合には、Aは払わなくてもていい、ことになっている。
あとの手形所有者Cが、「手形振出人Aに損させることを知って」ってじゃあどういうことなのか。この手形は融通手形だって知っているだけでいいのか?
ここで、河本フォーミュラが出てくる。
「手形法17条の「手形振出人Aに損させることを知って」は「手形を取得するにあたって、融通手形だってことを手形所有者Cが知っているだけではダメで、絶対に前所有者Bが手形振出人Aにお金を払わなくって、Aが損することが確実っていう認識だった場合だけ。」というのが、その内容だった。
俺が思っていたよりも、超めんどくさい話だった。なんか得意だったような気がしたけれど錯覚だった。もっと簡単な話かと思っていた。ノートを見ているうちに二段階創造説とか、いろいろ勉強していたんだなあと思いだした。
この知識も、そしてこの勉強に費やした時間もお金も、2027年度にはまったく無駄になってしまう。「手形という紙に、権利が化体している。」なんて、一生懸命、イメージしていたなあ。自然科学と違って、社会科学は、ある日、法律や制度そのものがなくなってしまうから虚しい。
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月曜日は実家に帰ったが、それは、この河本フォーミュラを知りたかったためだけじゃなかった。
実家の壁に「ツタが伸びている」と、以前、姉が言っていたので、切ってきた。それから、実家の石垣の隙間に、モルタルを流し込む作業をしてくれるように、大工の友達に頼んできた。石垣が崩れるのではないかと心配だったから。ついでに、庭の木を3本ほど切ってくれるようにも頼んだ。
近くの写真屋さんに行って、建築士試験用に証明写真も撮ってきた。
そんなふうに、実家でも、やることがいろいろあった。
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それから、実家に帰った日の夜、名古屋に戻ってから、老舗のうなぎ屋さんにひつまぶしを食べに行った。1人で食べたのだが、7500円もした。でもまあ、飲みに行ったと思えば安いものだ。
数年ぶりに食べたひつまぶしは美味しかった。量もたっぷり。食べながら、うなぎっておいしいだけじゃなくて、健康にも良さそうだなあって思った。5時でまだ夕食までの時間が早かったのか、食べている間、たまに来る配膳の人以外は、部屋にいたのは僕だけだった。
途中から雨が降ってきて、稲光が窓から見えた。雷が鳴っているなか「おいしいなあ。」と思いながら、一人だけの部屋で黙々と食べた。
どうやら、この雨のせいで、お客さんがいなかったらしい。翌日は、満席だったと後から聞いた。
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火曜日に職場に行ったら暖かかった。土曜日まで暖房を入れていたのが嘘みたいだ。
しばらくしたら、バイトの人に「暑いです。」と言われたので、冷房を入れた。なんだか一年中、エアコンを使っている気がする。
来月から、また一段と儲けも減るし、早くこの事業を辞めたい。
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長いことお世話になった方の娘が中学校を卒業する。その子は全国区クラスの合唱部に入っていた。
それで、俺はその子の知り合いというだけで、土曜日の(今日だけど)合唱部の卒業イベントに呼ばれた。
「俺みたいな中年のおっさんが、特に関係もないのに、中学生の合唱を見に行ったら逮捕されるんじゃないの?」不安が募って腰が引ける。
「大丈夫だから、来てください。」
それで行ってきた。公立中学校の合唱部とは思えないレベルの高さ。曲数も多く、レパートリーが豊富だ。無料だが、金がとれるレベルのショーになっている。今の合唱部って、こんなにレベルが高いのか。認識がだいぶ改まった。
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今週はジムにも行った。でも特別なことは何もなかった。
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大学から、卒業証書が届いた。特に感慨もなかった。でも、まあ卒業できてよかったとは思う。
大学といえば、建築士の試験を受けるための成績証明書の依頼をした。
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阿部秀之の「7日でおぼえるAutodesk Revit[Revit & Revit LT 2025/2024対応]」をやり終えた。
とても親切な本で、わかりやすかった。説明は丁寧だった。丁寧過ぎると感じるほど。でも、初心者にはこのくらいでちょうどいい。
だいたい、指示通りに、順調にできたが、最後の7日目。寸法をいじった後、トリミング領域の変更をすることが、何度やってもうまくできない。トリミング領域をドラッグすると、寸法の一部が一緒に移動してしまう。なぜ、こんなことが起きるのか、調べたけれどわからなかった。最終的には、トリミング領域の変更を先にしてから、寸法を変更した。
4月から、大学生ではなくなるので、この3DCADのRevitを扱う資格を失ってしまう。この先、数年はRevitを触ることはないだろう。次に触る頃には、Revitもそして、その解説本もいっそう進化していることだろう。いつの日かその進化したRevitに触れるのが楽しみだ。
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火曜日になって、「このままでは、絶対に簿記3級の試験に受からない。」と自覚をした。それで、建築士の勉強をRevit以外はやめにして、簿記3級の試験に集中することにした。しかし、思ったようには進まない。
土曜日の今日も、まだ、点数が取れる感が乏しい。明日の日曜日の勉強量ですべてが決まる。努力したい。
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「のん」の映画「私にふさわしいホテル」を見終わった。
舞台は、お茶の水にある山の上ホテル。ここで、カンヅメになっている有名作家を、新人作家の「のん」が急襲し、原稿を落とさせる。代わりに、自分の作品を雑誌に載せてもらうためだ。
山の上ホテルは、俺が通っていた駿台予備校のすぐそばにあった。それで、一度だけ、浪人のときに雑誌編集者をしていた叔父に山の上ホテルに連れられて行ったことがある。別館に行ってコーヒーを飲んだ。
ここは歴史があるホテルなんだ、と聞いても、あまりピンとこなかった。普通の喫茶店じゃん、なんて思っていた。田舎者だったし、建築にも興味がなかったし、価値がよくわからなかった。
映画自体は面白かった。「のん」って意外と字が汚いな、と思った。意外でもないか。ちょっとがっかりした。あと、あまちゃんの頃よりも、声が太く、低くなった(気がした。)。
ただ今の時代に、昭和の時代を描いた、この映画を撮る必要性がよくわからない。何をこの映画で訴えたかったのか。僕にはさっぱり。
ただ山の上ホテル別館で、コーヒーを飲んでも何にも感じなかったあの日の俺のように、未だに俺は田舎者で、価値がよくわかっていないのかもしれなかった。

