昨日の土曜日は、朝の10時から夜の11時までずっと仕事をしていた。

途中、20分くらい昼寝をして、あとはずっと計算をしていた。


夜の8時頃、一応の完成をした。

全く別の趣旨、別の方法で作った同僚の数字と見比べる。

もし、間違っていたら、と思うと胃が痛くなる。

午後から出てきた同僚も心配そうに見つめている。

互いに、複雑な元データから数字を引っ張り出しているので、どこが間違っていたのかを洗い出すのは相当な手間がかかる。


結局、同僚のデータに1箇所ミスが見つかった。


載せるべき箇所を誤ったのだ。

たった1箇所だが、額は3億円。

しかも、すでに動き出している数字なので、月曜日から彼はいろいろと走り回らなければならない。

しかし、よくよく見ると、間違えて仕方がない箇所なのだ。

彼の前任も間違えたままの処理をしているし、バックアップ用の資料でもチェックできないような箇所だった。


「それでもさあ、間違えた箇所が1箇所でよかったよ。確かに額でかいけど、まだ4月も1週間あるからこの瞬間に見つかったってのはまだよかったんだよ。」

「そうだよね。もっと間違っていたら、元データを探し回るだけでも数時間かかるもんね。」

互いに健闘をたたえ合う。

あとは2人とも間違っていたということがないことを祈るだけだ。


韓国の女性ボーカリスト「WAX」が日本語で歌った「赤い糸」という曲が大反響らしい。

以前ソウルに行ったときに気に入ってベスト盤の「Day&Night」という2枚組のアルバムを買ったことがある。

彼女はポップスも歌えるけれど、本領を発揮するのはバラードだ。

言葉はわからなくても、気持ちが伝わってくるような歌い方をする。


「赤い糸」はまだi-Tunesで売っていないが、5枚目のアルバムがi-Tunesで売っていたのでi-podにダウンロードする。

そのアルバム以外にも1枚、昨年リリースしたアルバムがあることになっている。

ジャンルのところにソウルと地名が入っている。間違いなのかな?と思いながらよく調べてみたら、WAXという名のR&Bの全然違うバンドだった。

地名ではなく、ソウル・ミュージックだったのだ。


1年ほど前に、酔っ払って韓国人のホステスばかりのいる店に行ったことがある。

「WAXはいいよね。日本語で歌えれば第二のテレサ・テンも夢じゃないよ。」と話していたら、「ダメダメ。彼女はブスだから。」とあるホステスが言い、それから全員が頷いた。

それでも、彼女の歌はいい。


以前、台湾に行ったとき、タクシーの運転手が日本語の曲をかけてくれた。

あまりにうまいので、一緒に行ったおっさんに「これ誰?ものすごくうまいね。」と聞いたら「バカ。テレサ・テンだ。」と怒られた。

それで初めて、テレサ・テンを知った。彼女の歌は泣ける。

それまで、日本語の上手な歌唱力のある歌手はジュディ・オングくらいしか知らなかったのだ。


WAXの最近の写真は、随分ときれいになっている。

そのことについては、あまり深く考えないようにする。

彼女の歌を日本語で聴けるのもそんなに遠い話ではない。

本当に第二のテレサ・テンになってくれたらいいなあ、と思った。