rokudenasiko
ろくでなし子さんという女性器をモチーフにしたアート作品を作っている人がいて、その人がわいせつ電磁的記録頒布の疑いで逮捕されたとかそんな事件。

まあ、いつもの芸術か猥褻かみたいな不毛な議論があったりしてて正直うんざりというかあきれているんだけども、そもそも、この事件は、彼女の活動の支持者に3Dスキャンデータを送ったということのようだが、これのどこに犯罪性があるのかさっぱり解らない。
不特定多数につまりは見たくない人にも見える形で展示したとか、だれでもダウンロードできる形でネット上に置いたとかならね、それは解らない訳ではないが、この話では、そんな話ではないじゃん。ただただ疑問だ。何が犯罪なのか?

芸術か猥褻かみたいな議論については過去にも書いているんだが、
そもそも芸術と猥褻は明確に区分できる物ではない。当たり前なんだ。だから、芸術は良くて猥褻はだめというのもそもそも馬鹿げた発想。区分できないんだから。
何が芸術で何が猥褻か?なんて本来区分できないことを裁判所とか警察とかが決めるなんてことは、それこそ芸術に対しても猥褻に対しても冒涜だろうに。

まあ、この事件は、おそらく本質的には猥褻どうのということではなく、3Dスキャンデータとかを今後規制するための見せしめというか、網掛けというのかな、そんな意図が警察にあるというだけの話だと思うけどね。ちょっと前に3Dプリンターで拳銃を作ったやつとかいたけど、そのあたりも含めての話だろうと。ちょっと警察が意地になっているような雰囲気もあるのもそのせいかなと。

と、ちょっと書いてしまったが、これは本題ではない。
本題は、変な議論が多いなあ、という話だ。

このろくでなし子さんの事件の話をテレビとかで取り上げている際に、コメンテーターとかがね、
「私はこれは芸術と思わないし見たくない。だから逮捕されて当然だし、規制すべきだ」
なんてことを平気で言う訳。この人頭大丈夫かなと本気で思ってしまうが、こういう人は多いんだ。
お前がどう思うとか、見たいとか見たくないとかね、それが誰かを逮捕するとか、法的に規制する根拠になると思ってるのかと。正直あきれるよね。開いた口が塞がらないというのはまさにこのことかと。

こういう話はほかにもある。
例えばカジノ法案のときとか。
コメンテーターは、こんなことを言うのだ。
「私はギャンブルはしないし、したくない、なのでカジノは必要ない」
本当だぜ。正気の沙汰かと本気で思う。
別にね、カジノ法案は国民すべてがカジノでギャンブルをしなければいけない。なんて言う法案じゃないんだぜ。当たり前だけど。あなたがしたくなければ行かなければいいだけで、それがなぜ、自分がしたいとかしたくないとかね、それが反対する理由になるのか?頭おかしいのかなと。
もちろん、個人の考えを言うのはいいのさ。でもね、それは、例えば
「カジノは社会のためにならないと私は思うので、カジノは必要ない」
とかね、そういう論理にならんとおかしいじゃん。なんで自分個人の趣向とかが根拠になるんだろうか?

もう一つ。避妊用のピルの認可の時も同じようなことがあった。
コメンテーターだけでなく、国会議員も言ってたと思うんだが、
「日本にはすばらしいコンドームがある。だからピルは必要ない。」
本当にこんな頭おかしいやつばかりなんだろうかと、ため息が出たことを覚えている。
これもね、別にコンドームを禁止してピルだけにしよう、っていう話じゃないんだ。当たり前だけどね。だったら、どうしてすばらしいコンドームがあるということが、ピルを認可しない理由になるんだよ。どういう頭をしているんだと。
これはね、ちょっと前に書いた根拠にならない根拠を平気で言う人が多い、という話に通じるはなしだけどもね。余談だけど。
まあ、ピルは結果的には認可されたんだから、いまさらどうこう言う話ではないかもしれないけど。