ら抜き言葉というのがある。日本語の乱れとか、そういう類の話に出てくる奴だ。
食べれます。は間違いで、食べられます。が正しい。
他によく言われるのは、注文の際の、何々でよろしかったでしょうか?という奴もあるね。
過剰な丁寧語、というか間違った丁寧語。
僕個人の立場としては、まあいいんじゃないの。ぐらいの肯定派。というか容認派ぐらい。
言葉は意味が伝わることが一番重要で、とりあえず意味が解るのであれば問題ないでしょうと。
今正しいとされている日本語も、江戸時代では違うわけで、言葉とは常に変化しているものなのだから。
例えば、最近では良く使われる、全然ある。とか全然おいしい。なんていう言い方は正しい日本語からすれば間違いだと思っている人は多いと思う。
全然ない、全然おいしくない、という全然~否定といった使い方が正しく、全然~肯定は間違いだと。
でも、それこそ間違いなのだ。
全然~否定も全然~肯定も、使い方としてはどっちも正しいのだ。
全然~肯定という使い方は昭和30年ぐらいから使われなくなったらしいのだが、本来は正しい使い方らしい。
最近また使われるようになってきた、という話なのだ。正しい使い方が復活してきたと。
こういう話もあるのだ。
全然~肯定という使い方は間違いだと思うほうが間違い。
まあ、いつの時代の日本語を正しいとするのか?という定義の疑問も出てくる話なんだが、常に変化している言葉をその時点で正しいとか間違っているとか口うるさく言ってもあまり建設的ではない。
とりあえず意味が伝わり、大きく誤解が生じなければ問題はないだろうと。でも、意味が解らないとなると、話は厄介だ。
一寸前になにかの調査で、慣用句の使い方を間違っている人が多いというニュースがあった。
破天荒だとか、敷居が高いだとかの意味なんかね。
まあ、正確に言えば間違いでも、なんとなく文脈から意味が解り、伝わればそんなに問題はないし、
多くの人が間違っている、という認識があるとか、また自分自身も間違っているとかであれば、まあ多くの場合誤解も生まれないなら問題はないんだけども、微妙な場合というのは結構ある。これは厄介だ。
この人はどういう意味でこの言葉を使っているのか?が解らない場合というのは結構ある。しかも全く逆の意味でも使われる言葉だったりすると、意味が解らないわけだ。
どういう意味で使ってますか?と聞いても、使っている本人に言葉に様々な使われ方があることや、さらには全く逆の意味でも使われるという認識がないと答えは出る由もない。
まあ、これはその人の知性の問題であって、言葉の問題でもないんだけどね、、、
あまり良い例ではないだろうけど、僕個人の経験でもっとも困った例を。
リアルという言葉がある。日本語しゃないけどwww
最近の映画ではCGが多用されているが、とてもリアルで、どこがCGでどこが実写なのか解らない。
こういう場合のリアルは解りやすい。写実的とか、実写と見紛う様なという感じの意味だ。専門用語で言うと、フォトリアリスティックということだ。
しかし、同じ映画でも、アニメなんかでもリアルという人がいる。ストーリー的に現実味があるとかの意味ではなく、映像に対する表現としての話で。
実写と見紛う人はいないと思うし、フォトリアリスティックではないので、これは従来の物に比べて比較的写実的だとかそれぐらいの意味かもしれないし、もっと言うと、単によく出来ている、ぐらいの意味の場合もある。チープではないぐらいの。
クオリティには関係なく単に3Dであればリアルという人もいる。
リアルの意味には相当な幅がある。
実写映画でのCGのような実写と見紛うようなというフォトリアリスティックをリアルの意味として定義すれば、アニメはリアルとは言えない。言葉とは定義付けこそがすべてであるのだが、使われる時々でその定義が変わってしまうことが一番の難しさである。
で、実際にそのリアルといっている映画なりの対象があって聞く話であれば、そのリアルという言葉の定義もなんとなくわかる話なんだが、対象がなく聞く場合が難しい。
と、今日もまた仕事の愚痴なのかもしれないんだが、
リアルにしたい、といってくるクライアントって結構いるんだが、そのリアルの意味が解らないんだね。
向こうもプロでそれなりの場数も踏んでいるはずなんだから、どういう意味でのリアルなのかという疑問は理解してくれてもいいはずなんだが、わかんない奴も多いんだよね。
こちらは具体的に、こういうリアルもありますし、こういうのもリアルと言う人もいますしね、この意味でリアルであれば、こっちはリアルとはいえなくなりますしね、とか、馬鹿でも解るように説明しているつもりなのだが、こういうことを考えたこともない人には理解は難しいのだろう。
ま、前述したが、これは言葉自体の問題ではなくその人の知性の問題でもあるんだが。
さらに、リアルの意味の定義付けを明確にしてください。なんて中学生でもわかる決定的な台詞だと思うんだが、そんなこと言っても、馬鹿はますます理解できなくなるようだ。話はどんどん迷宮に迷い込んでゆく。
リアルを別の言葉で言い換えることが出来ない。もしくは言い換えること自体の意味、意義がわからないのだ。
にわかには信じられない幼稚な人が世の中には多い。
