今日は、仕事帰りに、横浜中華街の画廊art Truthに行ってきました。

画廊art Truthでは、昨日10月10日(水)から15日(月)までの会期で、「描線は語る~三名の版画作家による作品展~」が開催されています。

 

三名の作家とは、上野謙介さん、佐藤文音さん、杉本あかりさんで、私のブログで紹介するのは初めてになります。

 

まず、上野謙介さんから紹介します。

「淡い気持ち」という作品

上野謙介さんの作品は、ご自分の内面を表現しているということを聞いたことがあります。

こうした作品を拝見するときは、自分の気持ちを無にして、線の流れ、濃淡に気持ちをゆだねるしかないのかもしれません。

そして、上野さんの内面と共鳴することが出来たらと思います。

 

「かくご」という作品

黒く太い線が、力強く、勢いを感じさせます。ただ、何処かにためらいの気持ちも感じさせます。

そうした線の動きを見ていると、「かくご」という作品名も納得できる気がしてきます。

 

「タニシとミミズ」という作品

いくつかの線のまとまり、一つ一つを見ていると、味があるおもしろさがある気がします。

そのおもしろさから、タニシとミミズという題になったような気がしました。

 

このような線と会話するのが、上野謙介さんの作品の醍醐味なのだと思いました。

 

次は、佐藤文音さんです。

「昨日見た夢」という作品

ちょっとユニークな作品です。

 

「突然変異した猫を探しに旅に出た、姉弟の話Ⅰ」という作品

これは、この題名の絵本の一コマです。

突然変異した猫の不思議さ、子ども達の表情、物語の中に引き込まれそうな作品です。

 

「泣かない」という作品

不思議な作品が続いた後、少し、穏やかな作品・・・ですが、鳥が咥えた宝石と、女性の表情に独自の世界感」を感じさせます。

 

「女の一生」という作品

女性の優しい表情や、薔薇の花など、穏やかな美しい作品です。

画廊の西海さんのお話では、こうした作品は、佐藤文音さんとしては珍しいとのことでした。

 

でも、この作品、女性は薔薇を抱えていますが、私には、この女性のやさしい視線、薔薇の抱え方からすると明らかに赤ちゃんを抱いているようにみえます。

その赤ちゃんを薔薇に置き換えたところに、「女の一生」という作品の制作意図があるのではと思ってしまいます。

 

最後に、杉本あかりさんの作品です。

「無限ぺろぺろ」という作品

あれっ! 蝿?

不思議な虫がいます。顔や手足を良く見ると人っぽいです。

 

この作品、杉本あかりさんのお気に入りの作品らしいです。

なかなかユニークな作品を描く方です。

 

「つとめて」という作品

よくみると、えもしれぬかわいさが感じられます。

 

「たまり場」という作品

「恐可愛い」という言葉があるとしたら、ちょっと軽はずみですが、そんな言葉が似合うような作品に感じてしまいました。

 

以上、三人の版画家の作品が、一つの空間で、個性を主張している大変おもしろみのある作品展でした。

ここで紹介した作品以外にも、面白い作品が色々ありますので、ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか。

 

最後に、art Truthのホームページを紹介しておきます。

http://www.yccp.jp/art-truth/