2014年に、ミレーの生誕200周年記念として、ボストン美術館から「種をまく人」などミレーの作品が来日し、展示されました。

東京で、「種をまく人」が見られるのは、30年ぶりという、宣伝文句でした。


おそらく、絵画ファンの多くは、この年に、ミレーを見にいったのではないかと思います。

しかし、私は、このとき、絵画を鑑賞するというモードにはなく、この機会を逃してしまいました。


でも、私は、ボストン美術館の絵を見たことがあります。

それも、山梨県立美術館の絵と並べてみました。

ただ、それがいつだったか、記憶が曖昧でしたので、ここ数日、いろいろと調べていました。

今日は、そのことを報告します。


私は、「種をまく人」が好きで、東京に住みながら、山梨県立美術館に3度、「種をまく人」を見に行っています。

最初に、行ったのは、1983年です。

これが、そのとき購入した蔵品抄です。





ご承知のとおり、ミレーの「種をまく人」は、ボストン美術館と、山梨県立美術館に2枚あることは有名です。


2002年に、名古屋ボストン美術館と山梨県立美術館で、両方の絵を並べて、展示されたようです。

その前は、1984年に、東京に、ボストン美術館の「種をまく人」が、来日したとき、両美術館の「種をまく人」が、並べて展示されました。


私は、見たのは、1984年、確かに東京・日本橋高島屋で両方の絵を見に行っていました。


そのときの、ボストン美術館の作品集と、それとは別に、小冊子で、2枚の絵を比べる冊子が作成されているのを見つけ出しました。


それが、これです。


まず、ボストン美術館の作品集がこれです。




そして、両方を比較して展示した小冊子はこれです。



(表紙)



(2枚の絵が比較されているページ。左がボストン美術館、右が山梨県立美術館)

今回、インターネットで、当時、この2枚の絵が展示されたことを、探してみましたが、小さな痕跡は見つかりましたが、確実な情報は、見つかりませんでした。


しかし、私の記憶には、2枚の絵が並べられ、鑑賞した記憶は明確にありましたので、今回、当時の資料を引っ張り出したら、確かに、このような資料が出てきました。


このとき、すでに、山梨県立美術館の「種をまく人」の絵が、インプットされていた私にとって、ボストン美術館の絵は、違和感があるほど、山梨県立美術館の絵とは、印象が違いました。


この両者の違いは、いろいろなところで紹介されています。

山梨県立美術館の方は、夕暮れ時で、手や足下が、おぼろげになっており、この時間まで、農作業をしている焦りや疲労感が伝わってくる印象がありますが、ボストン美術館の方は、おそらく、日はまだ高く、輪郭も明確で、力強い感じがします。


好き嫌いで判断する私にとってみれば、山梨県立美術館の絵の印象の方が、好みに合っていました。


少し、昔話になってしまいましたが、ミレーの作品、例えば「落ち穂拾い」や「晩鐘」など、私にとって思い入れがある作品が多く、とくに、この2枚の「種をまく人」の絵は、印象に残っている絵です。


以上です。