監督:吉田恵輔

主演:森田剛、佐津川愛美、ムロツヨシ、濱田岳

 

サイコスリラーの傑作。

 

先日劇場で「ミュージアム」を鑑賞したが、

中だるみがあり、若干テンポに物足りなさを感じていたのだが、

こちらの「ヒメアノ~ル」はそうではなかった。

 

たった99分の中に、ラブコメとサイコスリラーをしっかり詰め込んで、

全く飽きさせない傑作を生み出していた。

 

原作がどうこうという話はあるだろうけど、

この「ヒメアノ~ル」は異彩を放っている。

 

①キャストがいい

 森田剛が取りだたされているが、とにかく全員いい。

 全員が輝いている。

 

②エロい

 佐津川愛美の彼女っぷりが素晴らしい。

 こんな女いるなぁーって思わせてくれるし、

 なかなか体当たりの演技をしている。もうひと暴れしてたらさらに良かった。

 

③タイトルの出方

 これが素晴らしい。

 それまでのラブコメタッチの展開を180度逆のサイコスリラーに変貌させる狼煙のような役割をはたしている。

 バックに流れている曲も不安を煽るようでとてもいい。

 ユカの喘ぎ声とのギャップがたまらない。痺れるタイトルだった。

 

④容赦ない描写

 性描写はそこそこだが、暴力描写は本当にエグい。

 SEXシーンと、殴打シーンが交互に繰り返される演出とか狂人。

 刃物の刺さる感じや、ヒロインでもボコボコにされる容赦なさ。

 拳銃を打つのに溜ない遠慮なさ。

 人間が死がこんなにお粗末に扱われる事がとにかく衝撃。

 

というように、他の日本映画とは一線を画す仕上がり。

 

前半と後半のコントラストの違いが凄すぎるのに、

時間は99分。

必要なものを全て無駄なく詰め込んだ。

 

これは凄いものを見た。