めちゃくちゃ長くなったので、久しぶりにブログで投稿します。





無事にピカルーン 全ステージ終了致しました。
まず、ご観劇下さった皆様、誠にありがとうございました。
客席から興奮して見ていた壱劇屋東京支部さんの作品に関わる事が出来て本当に本当に幸せでした。
毎日楽しい、お芝居楽しいと思うと同時に、壱劇屋さんの劇団力の凄さにいつも圧倒されっぱなしでした。
総動員数2000人超え
おめでとうございます😊
きっと近い将来、もっともっと大きくなる劇団だと確信しております!!

ここからは長く長く、自分が演じた由良の事を書きます。

由良という役は人気がある役だと聞いていたので、プレッシャーもありました。
最初見たぴょんさんのビジュアル、歴代の山本さんのビジュアルを見ていて、野性的な感じだ!!と思って普通には歩かないだろうし姿勢も違うなと稽古着もサムエルパンツにしていざ顔合わせに行ったのですが、其処で見せて頂いた僕が着させて頂く衣装案が想像していたものと全く違うくて、これは野性的な人間じゃ着ないよなと、スタイリッシュな感じなのか?新しい由良像なのか??とそこから試行錯誤が始まりました。とりあえず衣装案の画像をお願いして直ぐに頂いて、このシマシマな、スラッとしたど派手な服を着る奴はどんな人間なのだろうかと。
本当は表に出たい人間なのか?でも天邪鬼で出られないのか?だから眩しい力石にライバル意識と、そして自覚のない憧れがあるのか?とか考えました。
最初はふざけたヤンキー気質な感じならいけるかもと思っていたのですが、稽古を重ねるうちに、力石も角もパワーのあるお芝居をされる役者さん達なので、三馬鹿の毛色が似てしまうし、個人的にどうしてもいま一つ最後に繋がらない。
お姫に対してもどうしても一本筋が通らないなと。
幼少期のお姫にはやっぱり可愛いしデレデレになってしまうから良い。でも、お姫が成長するに連れて、あの派手な服を着ている人間なのだから格好良く見えたいと思うのかなと。野性的より格好良いに全振りでも良いのかなと、だけどやっぱりお姫にはデレデレになってしまう。ふざけた感じになってしまう。
そう作って本番初日から数回重ねたのですが、皆のお芝居や熱量の変化を感じて僕自身、いや、この由良だと違うなと、これだと一緒に皆と居られないよなと思うところがあり、少しずつ変わっていきました。
逆班の由良、ぴょんさんの凄いところは、兎に角お姫ファーストで作っていたからこそなのか、お姫がどう成長していったかの細かな過程、そして不器用ながらも変わらぬお姫への愛、それが一貫して筋が通っていてとてもハッキリしているキャラクター像で、ぴょんさんの元からもっている優しさも合間ってとても魅力的な由良でした。ブレがない。
そうか、役作りはこうやって進めていくものだよなと。だからきっとくっきりとお姫への愛が通っているぴょんさんの由良は見ている人に愛されるんだろうなと。イメージ通りの素敵な由良像でぴょんさん凄い!と、ずっと思っていました。
僕が作った由良は、お姫にこう見られたい格好付けたい、でもつけきれない、という由良だったので、僕の力量もあり愛がボヤケて見えてしまった。そこが今回の一番の反省点ですね。
もしかしたら、そんなの由良じゃないって嫌われるかもなぁという想いが毎公演ありました。もっと愛を全面に出せば良かったとも思います。けど、それが素直に出来ないところ、それをお姫だけが感じてくれているのかなというのが僕が作って来た由良だったので、ここは変更して行く事も出来ないしなと。
今思うとそれでも、そこを上手く出していけるところは多々あったなとまた反省です。
ただ七賊の一人としてそこにいられたら、見てくれた人が全体として作品が面白かったと思ってもらえたらなと。
そんな悩みを助けてくれたのが僕の由良の些細なところを拾ったりしてくれたAの七賊の皆で、エネルギーを振ってくれたお姫で、だから由良でいさせてくれたのは皆のお陰だなと、本当に有難いなぁと毎公演感じていました。
僕が作った由良は、どこか力石の性格に憧れというか認めているところがありました。
力石の存在自体に憧れている訳ではないですが。
由良自身、子供の頃、良かれと思って行った事を否定されひねくれたところがあった。
でも力石に出会い、偽善だなんだと言われても笑いながら助け続け皆に愛されている。
自分が否定されているような、隠そうとしても認めたら負けのような気がする、でも少しずつ認めてきている自分もいる。
一人でも強く生きていかなきゃいけない。
だから人に対して口が悪くなり、派手な服で自分を着飾っていった。昔はもっと小汚くこっちを振り向いて欲しいイタズラ小僧だったと思う。でも、根っこにある優しさは変わらず、人の事をずっと見ている。なので兎に角、稽古場でも人を見ようとキャスト、アクションモブの皆さんの芝居をずっと見てました。
本番でも皆の変化が楽しくてワクワクして仕方なかったです。
お姫もいつかは一人で生きていけるようになって欲しい。
でも甘やかしてしまう、したい、デレてしまう、そんな自分でもよく解らない感じ。
それが本番に入って、修正していって、最後に辿り着いた僕の由良でした。
ここにもっと早く辿り着けたらもっと色んな事が試せたのにという悔しさはあります。
最後の爆破のシーンも、笑いながらとディレクションがあって、僕の由良は何故、笑うんだろうってずっと考えていて、出てきたのが力石の、助けてくれた人間が暗い顔していたら駄目、という考えでした。
力石を最後にしっかりと認めた、受け入れた時なのかなって。本当は力石のようにアーハッハッと格好良く笑いたかった。
稽古では何回か試したのですが、ギリギリの時に出てくる音はこれじゃないなと。全然違うわと。泥臭くて、絞り出して出て来た笑いは由良の笑いで良いなと。
見ている人に伝わらなくても良い。お姫が笑えるように見えていなくても不意打ちで木っ端微塵に由良なりに格好よく笑って助ける。
その気持ちだけで良い。力石が出来る事はオレにも出来る。
それが僕なりに出した答えでした。
Aの由良という役を演じられて、逆班にぴょんさんが居てくれたお陰で、周りのキャストの皆さんのお陰で沢山の事を学ぶ事が出来ました。
まだまだまだ不甲斐ない部分が沢山ありましたが、この経験を元に、これからもっと成長出来ると思います。
そんな風には見えない、そんなの由良じゃないってお言葉はごもっともです。ですが、そんな妄想が演じるうえでの、役作りするうえでの楽しさだったり大切な事だと思うので、それがもっと滲み出て表現ではない具現化で見ている人に感じとってもらえるぐらいに出来るようにこれから精進したいと思います。
この作品に出会えて、由良に出会えて、この座組の皆とお芝居が出来て本当に良かったと心から思っています。
最後まで応援して頂きありがとうございました。
七賊でいさせてくれて、お姫を見守らせてくれて、幸せな時間をくれて、本当に本当にありがとう御座いました。
もし、またチャンスを頂けたら今度はもっと成長して帰ってこれるように日々を過ごしていきたいと思います。

志村倫生