クライシスマネージャー 河野 通船(こうの みちふね)

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「危機管理」仕事術
 

 
 
 

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 第46号 2019年2月15日発行
 
■JR北海道「車内販売廃止」

北海道のJR旅は長距離が多いです。
釧路勤務時代は札幌まで4時間超。
「暇」です。
食料調達は「車内販売」。
カチンコチンのアイスが美味しかった!
最終釧路着が零時前の特急が、途中事故で大幅に遅れた際は、 深夜1時を過ぎても車内販売にまわられており、「使命感」の感動したこともあります。

そんな業務も、コンビニで買ってくる客が多くなり立ちいかなくなり、「廃止」が決まりました。

今の若者が「食堂車」を知らない様に、「車内販売」も歴史となってしまうのですね。

■退職後も活躍する幹部自衛官

釧路繋がりでもう一つ。
硬派な雑誌に、陸上自衛隊釧路駐屯地司令(トップ)の話題を書いたことが有りました。

掲載誌が贈られ来たので、当時の上司と司令室を表敬訪問しお渡ししました。

防衛大学校卒ではなく高卒叩き上げで、幹部自衛官になられた方。
「下からあがってくる司令は私が最後かもしれない」 そう語っていたのが印象的でした。

創立記念式典でひな壇から観せていただいていると、整列している隊員の一人が倒れ連れだされる光景が見えました。
挨拶に立った司令は「今後倒れる事はまかりならん。
腹に力をいれて立っておれ」と厳しい言葉を投げかけました。

後で来賓の浅野貴博衆議院議員が、「倒れらえた隊員に寛大な対応を」と伝えられた程でした。

しかし、ここにこの方の組織トップとしての卓越した「対外発信力」があったと思います。

朝礼で倒れる子どもがいるのは珍しい事ではありませんが、ここは自衛隊、そして晴れ舞台の式典のさ中。
精強な自衛官をアピールする場ですから、健康管理をし駄目なら「戦列を離れる」という選択肢も考えられたかもしれません。

部隊向けにはそういう発信でしょう。
我々招待客だけではなく一般客には、「見られてしまった事態」を無かった事にするのではなく、厳しすぎると同情されるほど「叱る」事で、結果的に部下を守り士気を高めています。

不祥事が起きた時の記者会見で、部下を庇って「炎上」する事がよくあります。
本心から庇っているとしても、それはトップと組織を守っているように聞こえるからです。

「危機管理広報」が、「咄嗟に」でもできる方だと感じました。

先日、自衛隊の新聞「朝雲」1月17日号に勇姿が特集されていました。

定年退官された今は、静岡県島田市役所で危機管理部長兼危機管理監を務められている眞鍋和徳氏です。

大変懐かしく、島田市は素晴らしい方を採用されました。

来るべき災害から多くの人命を救ってくれることでしょう。
部下の方は大変でしょうが(笑)。