LBT(Labour Based Technology、人力施工)による道路整備手法を道路行政機関や施工業者へ研修する研修所で活動しています。
ここで研修を受けた業者が、近くで実際にLBTを利用し道路整備している現場があるということで、連れて行っていただきました。
幹線道路との交差点
ここが工事の始まり箇所です。県の役人(道路管理者)がこの道を選んだそうです。
研修を受けた技術者が、施工業者(近くで雇用した住民)を指導し施工しているそうです。習った技術を、現場で実践できることはとても効果的だと思いました。
研修所で利用されているマニュアルに記載されているような道路に仕上がっています。道路排水の整備、路面を山形にして水が溜まらないようにする、路面をしっかりと締固めるという道路整備では最も基本で重要なことが実現されています。人力で(締固めには、手押し式のローラーコンパクターを利用)ここまでできることに、実際の道路を見て驚きました。このあと、さらに表層として砂利を敷いて仕上げる、とのことでした。
道路行政が、計画をし、予算をつけ、技術を身に付けてそれに従い施工管理することで、このように道路が整備されていくのだなあと思いました。(日本では当り前のことかもしれませんが、十分な予算がとれない途上国では特別だと思います。人力施工では工事費が安くなり予算をつけやすくなります。かつ、現地交通量を快適に通過させる品質を確保できるのです。)
施工範囲の終点です。
この先は今回の工事では取り扱わないとのことでした。これまで整備されてきた道も、施工前はこのような状態だったと思われます。乾季なので今は路面は固い状態ですが、排水溝がなく、路面も勾配がなく平たんになってしまっています。人力施工で目指す道路の形になっていません。
雨季になると、実際に通行する人々が、整備したところとそうでないところの違いを実感するでしょう。
お米を運搬する人々を見かけました。90kg用の袋を二袋、自転車に乗せて運んでいます。このあたりは標高500m(研修所は標高約1500m)で温かく雨も多いことからお米の産地だそうです。
道路整備により彼らの生活がどう変化していくか、興味のあるところです。



