パプアニューギニアのプロジェクトでは、整備対象とする道を選定した。次にどう整備を進めるか、具体的に計画する作業を行っている。1州につき2つの道路、2州で同時に進める。各州の道路省に勤める若手エンジニア(20代)に、整備計画をたててもらった。それをもとに福林も内容を確認、エンジニアと協議しながらプロジェクト予算に見合った計画を決定する。
中央がエンジニアのロンダニ氏
道路下のパイプが詰まっていないかを確認
ロンダニ氏は以前は建設会社で勤めていて、幹線道路整備の仕事に携わっていた。本プロジェクトで行う低予算での道路整備計画、にとまどっていたが、人々の生活道路整備という仕事を重要だと理解し、がんばって道路整備計画をまとめてくれた。
パプアニューギニアの工科大学を出ている彼は、パソコン、エクセルをつかいこなしきれいな表を作ってくれた。
古いノートパソコンを使っていて、新しいのが欲しいと言われたが、聞こえないふりをした。ただ、こうしてパソコンを使いこなす人が性能のよいパソコンを持つことができたなら、作業効率も上がるのだろうと思う。他の州でのエンジニアも、USBが読めないパソコンを使っていて、データ保存をいまだにフロッピーでやっていた。そしてプリントアウトのためには、他のエンジニアからプリンターを借りてくる、つながったと思えばトナーがない、といった状態だ。
プロジェクトがパソコン、プリンターを彼らに支給することで、進捗がはかどるなら予算もあることだから、検討してもよいと思っている。ただ、こう思ってしまう自分も悲しいけれど、目の届かないところできちんと業務に使ってくれるだろうか、プロジェクトの予算は極力住民の生活向上につながるように使いたい、と考えていて、少し様子を見ている。
整備対象道路が川で分断されている様子
もともと丸太の橋がかかっていたが、腐って落橋した。2本の丸太がかろうじて残り、人が歩いて渡っている。
この橋整備も含め、道路全体(約10km)での整備事項の優先順位を付けた。プロジェクトとしての計画案を住民に見せて、協議しながら最終的な計画を決定する。例えばもし住民がボランティアで参加することに合意したら、より多くの道路整備資材(砂利など)を買うことができる。
7月から約1~2カ月かけて住民との話合を行う。
少し先の拡幅工事中の幹線道路の沿道に立つ家
新しい家が工事が始まるとともに立ち始めたとか。自分の土地や家を道路建設のために提供する、ということで補償金を得ることがねらいだそうだ。
公共工事、どこの国でも難しいようです。




