■別邸千寿庵にも春来たりなば・・・

昨年12月の宿泊から3か月後。

雪の別邸千寿庵を狙っての再訪でしたが、いかんせん今年は春が早すぎた！

スタッフの方曰く、通年だともっと残雪があるとのことでした。

◆3月19日（日）～3月20日（月）

前回と同じスタンダードタイプの「和室B」＠79,860円/2人分

※全国旅行支援適用（平日クーポンひとり＠2,000円付

箱根吟遊と並び、30年来のミヨレ垂涎の宿だった別邸千寿庵。

しめしめ。旅友もズキュンとやられてくれちゃったので、

お決まりパターン。宿泊中に次回予約を入れておりました。

やっぱり私の目に狂いはない、好きになった人は間違いなかった！と実感したのは、

予約確認の電話をいただいたときのこと。

「一休様からご予約いただいていますが、全国旅行支援が再開しましたので、

適用希望されますか？」のご提案。

全国旅行支援が群馬県で再開したのは知ってたけど、既存予約除外だし、

取り直そうにもお部屋がもう開いてない。何より、数千円の違いだけでめんどくさい。

ところが、宿側で取り直しをやってくただるとのこと！

普通こんな提案ないよ？しかも「取り直しで少しお得にはなりますが、

ダイヤモンド会員様の特典やポイント加算のこともあるので、どうかと思いまして」

あああ！そんなところまで考えてくださりありがとうございます　

そして、3月19日月曜日。いそいそと13時過ぎにチェックイン。

清々しい

根雪がすこおおおし残っているくらいで、12月来訪時とお庭の様子も

谷川岳の雪の具合もあまり違いはないんだけれども。

でもでも、青空なのと、お庭の芝生に春の息吹を感じませんか？

お部屋からの景色も、光の色が違うだけで、全然違って見えました。

前回と同じタイプのお部屋（和室B）を予約したので、予約時に、違う部屋希望

とリクエストしていたのも、ちゃんと叶えてくださってました。

（２０５号室秋月。前回は202号室風月）

前回はお部屋からは望めなかった谷川岳、なおかつ、

谷川の流れもよく見えるお部屋でした。

そして、内縁がはりだしているのも、今回のお部屋の特徴でした。

そしてそして。お部屋の露天風呂が少し広めだった気がします。

同じタイプの部屋でも、間取りが少しづつ違うので、

別にグレードアップしなくても、スタンダードなお部屋で十分です。

お部屋・館内の装飾も季節ごとに変わり、目を楽しませてくれます。

もうほかの新しい宿を開拓するのもキリがないし、

勝手知ったるをベースに、折々の違いを楽しむ段階に来てるんだなあと

思うのでした。

お茶請けも相変わらず美味しいし、床の間の生け花も春を演出。

窓際に用意されたハーブティーセット一式も、お部屋での過ごし方を

提示してくれていて、こういったお部屋のちょっとしたことひとつを見ても、

「過ごすことを目的とした宿づくり」に全て集約されているのだなあ・・・と実感しました。

お部屋でゆっくりお茶をいただいたら、館内・お庭探検に参りましょう。

前回と違った陽の光で、すべて見え方が変わっているはず。

ほらね。前回は曇り空だったけど、今回は日差しが入り込んで、

オブジェの影まで楽しめます。

お庭から移し替えたのでしょう。蕗の薹がふっくら、美味しそうです（←コラコラ）

青い鳥も春を歓迎して、幸せを運んで来てくれてます・・よね？

こういった小物は誰がどこから調達してくるのかなあ？

猫がいて、白いまるっこいオブジェは、雪を表してると思われる。

小さいこのお盆のスペースで、冬と春が同居。

まさに今の季節を表しています。

こういう気の利いた演出がそこここにあって、いちいち立ち止まってしまう。

宝探しみたいで面白い。

別邸千寿庵の代名詞、曲面廊下から差し込む光、何をどう置いたらどうなるか？を

計算しているとしたら凄すぎる！

お庭には、前回丘の上のほうにあったドームが降りてきてました。

ヒーターも入れてあって、この秘密基地で本を読んだり、

ソファに寝転がってまどろむのもいいなあ。

まあ、人が多いときは独り占めするわけにはいかないんだけど、

見てると人がずっと入り込んでいる風ではなかったな。

東屋風ガーデンテラス。冷蔵庫のフルーツは今回は🍓でした。

甘くておいしい。おかわりしました。（前回はリンゴ）

お庭を横切るせせらぎにはまさに春の訪れ。

蕗の薹やらスノードロップ、名前を知らない山菜が芽吹いていました。

お庭の奥にある図書室にも行ってみました。

こちらは前回より訪れる人が多かったけれど、座る場所がない、

ということにはならないレベルでした。

暖炉にも火が入って、野焼きの匂いがしました。

昭和の原風景を思い出させる匂いです。平成以降の人には

わからないだろうなあ。

スタッフの方が、あぶったマシュマロとともに、コーヒーを入れてくださいます。

カップが面白い。不安定のように見えてちゃんと立つんですよ～。

図書室からの帰り、せせらぎの飛び石を渡って、芽吹きを楽しみつつ、

振り返ると、谷川岳が夕陽に染まりかけていました。

曲面廊下の外側の縁、前回は通らなかったので、

ここで写真を一枚。

公式サイトのイメージアルバムでは、横アングルで

ライトアップされた幻想的な写真がアップされてます。

なかなか、プロの撮影通りにはなりません。当たり前ですけど。

いったんお部屋に戻って露天風呂でほぐれた後は、

一番早い時間で夕食を頼んだので、いそいそとお食事処に移動です。

飲み物は、100種類以上もある梅酒の中から、チョイス。

旅友はブルーベリージュースです。

しょっぱなから春の食材満載。

先付；新筍と若芽、銀餡。いわゆる「若竹煮」

懐かしいなあ・・・子供の頃、春になったら若竹煮が何度も食卓に上ったものです。

ミヨレは、筍独特のえぐみが苦手で全然美味しいと思わなかった。

椀物；白川ぐじ（舞茸・小松菜・酢橘）、

お造り；桜鯛・銀光・蒟蒻（褄物色々、自家製酢味噌）

お椀がまた素敵なうえに、安定の出汁の美味しさ。ぐじも柔らかくて。

お刺身も、魚自体は当然美味しいけど、色々な褄物のほのかな苦みがいい。

苦みを美味しいと思えるようになったことは、大人になって良かったと

思うことのひとつです。

目にも美しい八寸のひとさら。「向春」が濃縮されてます。

「向春」左側から、鰆若草焼き⇒唐墨真丈⇒ふきのとう味噌天

⇒アスパラ生ハム巻き胡麻酢⇒桜寿司こごみ・たらの芽

⇒蛍烏賊塩辛たたき長芋

特に手前のふきのとう味噌天、山菜独特の苦みがよきひと品。

焼物；伝宝焼（白子　味噌ソース掛け）

少し洋食よりの味わいで濃厚なんだけど、白みその優しさが

際立つこれまた逸品。

強肴；山菜胡麻鍋

ミヨレはシルクサーモン、旅友は上州牛サーロインをチョイスしました。

シルクサーモン、結構分厚い大きな切り身が3枚も！

山椒の葉っぱをお好みで使ってくださいとのこと。

ぐつぐつ煮立ってきた胡麻鍋に野菜から豆乳していき、

はふはふいただきました。

そして手前左は心ばかりと称されたひと品で、千草和え土佐酢。

旅友の上州牛サーロイン、いいさしが入ってますなあ・・・

これはもう美味しくないわけがないでしょう。

御飯；花びら茸炊き込みご飯　止椀；ちぎりっこ汁

香物盛り合わせ

メインが胡麻鍋だったので滋味感じるしょうゆ味になったのかも？

味のメリハリがついて美味しくいただけましたが、鍋⇒椀物はちょっと

続きすぎたかな？

水菓子；桜山　蓬の里　🍓

餡の中に細いうどんが混ぜられているとの説明。

白い短い紐状のものがありましたが、混ぜる意味あったのかどうか？

桜餅のパウダーで春を感じるデザートではありました。

お腹はくるしい～というほどではないけどほぼ満腹。

少し外に出てみました。さすがに寒いです。

ドームの中に入ってみると、中はヒーターで程よく温かく、

中からみる曲線廊下は、土壁の模様が浮き上がって素敵でした。

中に戻って見上げると、こんな風ですが、

外から俯瞰してみると、模様が森の樹々のようになっているのです。

こういうことも狙って造り上げられているのってすごいなあ。

大浴場の手前の壁の意匠、前回は見過ごしていて気が付かなかった。

枝ぶりに雲、着き、そしてさくら？

日本画のひと作品がさりげなく意匠されていました。

この後はまたまた露天風呂。空に星が埋め尽くすかのように煌めいて

星が少しづつ回っていくのをみながらお湯につかっていました。

ほんとにすごい星空だった！

残念ながら、ミヨレのスマホでは全然星空は移りませんでしたが、

その分、目に焼き付けました。

そういえば、前回は曇りだったから星は当然見えなかったし、

何より、サッカーのワールドカップ深夜観戦だったので、それどころじゃ

なかったですね。

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5時半頃ぱちりと目が覚めました。

旅友を起こさないようにそーっと起きて、まだほのくらい中、露天風呂～

しらじらと明けはじめ、気が付けば雪山に朝日が反射して、少しづつ

色づいています。

気が付けば40分くらい浸かってたでしょうか。

そしてまた布団に寝っ転がることができる幸せ。

お部屋でモーニングコーヒーを入れて、

朝なのにゆっくり時間が流れるのを楽しむ余裕。

こういう命の洗濯、少しの贅沢は必要だよなあ～。

はい、朝ごはんです！

前回洋食だったので和食にしました。

朝食の献立と同じだあ～（当たり前だけど）

お米は珍しく発芽玄米にしてみました。ちょっと健康志向。

お魚は鮎の塩焼き♪

前回、旅友が和食にしていて、ぱりぱりと焼き立ての海苔の香ばしさが

羨ましかったんだ～。待望のお櫃に鎮座した海苔！

木箱の下に、炭が入っていて、海苔が湿気ないように炙られてるの！

こちらは旅友チョイスの洋食。たまごはちゃんと1個になってます。

私たち、卵料理で卵2個使われてしまうと食べきれないので、

最初に1個分で、とリクエストするようにしてるのです。

最後は淹れたてコーヒーでほっこり。

器も素敵だし、朝日に湯気がたっている様を見るだけで、

コーヒーのアロマが感じられます。

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今回の再訪、思った以上に雪がなくて残念だったけど、

やはり、四季折々訪れて、常連になる宿なんだなと実感しました。

1年に1度、今度はもう一度雪狙いで来るか、木々がみずみずしい季節

に来るか？

いずれにしても、違う季節にまた訪れたいです。

館内の意匠もどんな工夫を見せてもらえるのでしょうか？それも

楽しみです。

再びの別邸千寿庵