クラシックホテル制覇の野望もついに最後。
オオトリ、箱根宮ノ下にある富士屋ホテル登場です。
■宿泊したフォレストウィングからの眺め(20日朝)
2022年4月19日(火) 天気;曇のち雨
晴れ女ふたりの威力か、泣きそうな雲ではあるけれど、
傘いらず、それどころか少し晴れ間も出てきたところで、
宮ノ下駅から徒歩でホテル入り。
前回、富士屋ホテルに宿泊したのは、2015年10月。
その時は、老朽化がかなり目立ち、廊下や部屋の建具の建付けもギシギシでした。
そして、コロナ以前からのホテルの英断、2年以上に及ぶ休業、改装工事を経て、
2020年営業再開。
ひと様のブログなどで生まれ変わったホテルを拝見するたびに、
どのような変貌を遂げたのかぜひともこの目で見てみたい!と思っていたのが、
ようやく念願かなったわけです。
そうそう、この看板を横目にみて、階段を上がると、ホテルの全容が現れ、
どきどきします。階段あがってまず目の前に現れるのは、
案外いたってシンプルな玄関。
スタッフさんがすっとお声をかけてくださるのもお約束。
玄関の上を見上げると、明治24年建築の富士屋ホテルの神髄、本館。
唐破風屋根の玄関ポーチをはさんで左右対称の造り、和洋がちぐはぐでなく
混在した堂々たる佇まい。
横に視線をずらすと、花御殿、西洋館。
ああ、そうそう、これが富士屋ホテル。前回の記憶が蘇ってきた。
もちろん、当時は壁や屋根もはげたりあせたりが隠しようもなかったけれど、
パリッと新調された装いとなり、明るいイメージで、なんだかパワースポット化してない?
そして館内に入ると一挙に映画のセットに迷い込んだようです。
変に手を加えるのではなく、昔の意匠は美しく再現され、以前のままに。
思ったより人が少なかったけど、どこからか集う人々のざわめきが聞こえてきそうな雰囲気です。
(コロナの影響がまだ響いているのかな・・・かながわ県民割とかやってるのに)
■フロント、階段の周囲の彫り物も健在
■オナガドリさん、久しぶりです、お元気でしたか?
■ゆったりとしたロビーフロア(玄関側)
■ロビーフロア(奥のティールーム側)
■ダイニングルーム「The Fujiya」 魅惑の入り口ですね
■ロビーフロアのライティングデスク 筆不精でも手紙を書きたくなる。
旅友がチェックイン手続きをしてくれている間に、
「ああ、そうそう、こんな感じだった。すごく見違えたな~
富士屋ホテルだあああああ」と、スマホパシャパシャしながら脳内で絶叫してました。
■花御殿へと降りる赤い階段
この階段を下りて、確かスパにいったような?いや、部屋への通路だったか?
記憶があいまいなのですが、この階段はすごく印象に残っていました。
今回も、私たちが宿泊したのは「フォレストウィング」
(※ 一番お手頃価格で泊まれるお部屋。ちなみに素泊まりで1泊@22000円。
恨みの備忘録;旅友は神奈川県民なので、県民割適用で5000円補助、ホテルで使える
クーポン2000円付き。適用外の都民は仕方ないと思いつつも憮然。)
昭和35年建築の一番新しい建物で、本館などの装飾が施された建物とは異なり、
よくある近代的な仕様なので、面白みがないといえばそれまでですが、
ここのいいところは、高台にあって自然が眺められるところ。
そして、6階にスパ・温泉があるので、温泉に何度も行きたい私たちにとっては好立地。
■フォレストウィングへ続く通路
わりと長いですが、窓からの景色を見たり、アトラクション待ちのように
楽しめます。
■当時のフォレストウィングがわかるポスター展示
フォレストウィングへの通路は、プチギャラリーで、
👆 こんな感じでそれぞれの建物の様子がわかる展示がされていました。
そしてお部屋到着!フォレストウィング5階の507号室でした。
■入ってすぐパチリ。部屋全体はこんな感じ。
■シンプルかつ不足のないトイレバスルーム
これだけみると、いたってシンプル、高級なビジネスホテル?みたいに
見えますが、ライティングデスクやチェスト、ソファやテーブルなど家具は、
クリーニング・修復され、旧き良き時代の趣のまま使われています。
また、インテリアに、障子や雪洞スタンドといった和のテイストを用いたり、
クーラーの囲いが木材にする気遣い、落ち着いたブラウン系のファブリックが、
上品・高級感を醸し出してるなあ。
■ライティングデスクの上の文箱
■文箱のなかみ
こういった小物も行き届いている・・と感服。
が、旧いだけでなく、嫌みなく近代化しているところはもちろんあって、
ひとつは部屋に必ず用意されているホテルのフロアガイドや説明書。
紙での用意は撤廃、テレビ画面での確認のみとのこと。
細かい字がみえづらくなっているミヨレにとっては、テレビの大画面で
見ることができるのは嬉しい。お風呂の混み具合も確認できます。
■ティーアメニティ
部屋まで案内してくださったスタッフさんからの注意として、
瓶で用意されたお水は無料ですが、瓶のお持ち帰りはお控えくださいとのこと。
瓶が欲しければ@1,800円で購入いただきますとな。
ふぁ~。持って帰るところだった・・・
カプセル式、難点は自分で持ってきた珈琲などを自由に飲めないこと。
川奈ホテルは同様のカプセル仕様だったのだが、追加の珈琲のカプセルと
お湯はフロントにお願いしてもらったんですよね。
まあ、リクエストすれば快くお持ちいただけるのだけど・・・
ああ、富士屋ホテルお前もか・・・と、思いきや、棚を物色したら、
お湯をわかすポット、ちゃんと用意されておりました。
あと、花御殿1階のギャラリーコジ―
(富士屋ホテルを描いた画家の作品を展示したギャラリー)
には、宿泊者専用のドリンクコーナーが設置されていて、
部屋に持ち帰ることもできたので、ティーアメニティはかなり充実しています。
書籍をお部屋に持ち帰ることは禁止されていましたが、
こちらでゆったり書籍や雑誌を読むのも、よい時間の過ごし方かと。
今回もフォレストウィングに宿泊だったので、フレストウィングとその階下層にある
花御殿、フロントとの範囲を中心にうろつきましたが、
花御殿地下のミュージアムや、屋内プール、日本庭園など、見どころいっぱいで
まだ見切れていません。
最後に、肝心の温泉。
■露天風呂
本当は撮影禁止ですが、貸切状態のときに、ささっと撮影。
硝子の目隠しの向こうに、箱根の自然が広がっています。
湯あたりしない、優しい泉質でした。
そして朝、目覚めたときにぱっと目に入った風景が、これ。
■天然額縁 東山魁夷か平山郁夫か?
まさに陰翳礼讃、青もみじや杉が鮮やかに切り取られて画のようです。
そして、前回は気が付かなかったけど、箱根登山鉄道がすぐそばを通っていました。
■緑の合間に見える赤いものが電車です
リニューアルしたということで興味津々、前回よりは色々見て回ったと思っていましたが、
まだまだです。ここはやはり連泊でもしないとだめです。
それに素泊まりプランにしちゃったので、ダイニングルームにはいってないし。
次回は1泊は朝食付きプランにしよう。
それにしても、クラシックホテル9つの最後を飾るに相応しいホテルでした。
横綱確定、西の雲仙観光ホテル、東の富士屋ホテル!!といわせていただきます。
クラシックホテル万歳!ありがとう💛
■富士屋ホテルの象徴、本館の歴史
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、クラシックホテル制覇の野望、
20211年7月の万平ホテルを皮切りに、1年もたたずに達成しちゃったわけですが、
これですっかり国内回帰、クラシックホテルの魅力にとりつかれたわれら。
発表しま~す!!
①クラシックホテル制覇の野望again 開催決定~
②勝手に選定「OURクラシックホテル」制覇の野望 開催決定~
③できればのおまけ。「孤独のグルメ」紹介店舗訪問~
つまり、クラシックホテルパスポートを再び購入、9つのホテルを再訪問。
加えて、クラシックホテルの会に加盟してないけど、戦前建築のホテル&リゾートの草分けを
勝手に選定して訪問しちゃう。
その中で、食事を外で食べる場合、「孤独のグルメ」で紹介されたお店があれば
行ってみよう!というなんとも豪華な企画。
実は、今回はすでにその企画がはじまっていて、
富士屋ホテルの前日に、勝手に選定「OURクラシックホテル」から
「山のホテル」宿泊、富士屋ホテル宿泊の日の夕食に、孤独のグルメで紹介された
「いろり家」訪問をやっちゃってるのです。
これについてはまた次回~