メンタルを壊して
会社を辞めた2018年の春。
「とにかく働かなくちゃいけない
個人事業主として仕事を
とって来なくちゃいけない」
と、私は焦っていた。
フリーランサーの
マッチングサイトに登録して
ばんばん手を上げる？
ライターを欲しがってる会社の
業務委託を受ける？
それとも、呑み屋や
書店でアルバイトをする？
そのとき通院していた
精神科の先生は、
「まあまあ、落ちついて。
仕事はしばらく
やらなくていいですよ。
……そうですね、
最低でもあと3ヶ月くらいは
なんにもしなくていいです」
と言った。
先生！ 何をおっしゃいますか、
それでは生活費が
なくなっちゃうじゃありませんか！
……と、言い返したくなった。
あれ？
でも、ほんとにそうなんだっけ。
最悪、自分の蓄えが
尽きたとして、
そしたら誰かに
頼ってもいいのではないか？
誰にも頼っちゃいけない。
迷惑かけちゃいけない。
自分の食いぶちは
自分で稼がなくちゃいけない。
それが自立であり、
大人としての生き方だ。
私はそういう呪いに
かかっていたのだ。
それはいわゆる、
母親の呪いだったんだと思う。
母は、こんなふうに
言って私を育てた。
「これからの時代、
女にも手に
職をつけるのが必要だよ。
男に養われたら
自分の自由がなくなってしまう。
たとえ結婚したとしても、
自分が一人で生きていけるだけの
お金は稼げるようにしなさい」
それは、
「一人ではお金を稼げないから」
という理由で、
ずっと離婚したくてもできなかった
母が私に残した教えだった。
人からお金をもらったら負けだ
と思いこんでいた。
お金をもらったら
自由を奪われる。
お金をくれた人の奴隷になる。
母がそう、思い込んでいたように。
あー、でももう、いいじゃん！
ジロウ（ダンナ）や
ジロウのお母さんの財布に
頼ってもいいじゃん。
ほんとにヤバくなったら
助けてくれる友達だっているじゃん。
新しい仕事を探すのを
さっぱりとやめた。
そしたらなぜだか、
友人たちがライターの仕事を
ちょろちょろふってくるようになった。
会社を辞めたことを知って、
心配してくれているのか？
と思ったら、
そういうわけでもないらしい。
しばらくライターなんて
やってなかったのに。
そうして2018年、私にとって2回目の
ライターとしての人生が始まったのだ。
みあんご！
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