公開中の映画「イロイロ」を土曜日に観てまいりました。
海外に出稼ぎに行ったフィリピン人メイドが題材となっているシンガポール映画ですが、フィリピン事情のほうが詳しい(というか、シンガポールのことは殆ど知らない)私、ちょっとした伏線やサブストーリーとして描かれているフィリピン人の様子のほうがクッキリと判りすぎてちょっとバランスを崩しかけましたが(^_^;)、人と人が少しずつ分かり合って行く過程やシンガポールの(90年代終わり頃が舞台)市民事情というか、暮らしぶりが良く描かれた作品でした。平凡な家庭にやってきた、シンガポールでは一般的な外国人メイド、突飛で架空な設定ではない分、素のシンガポールを垣間見れたような気がします。
シンガポールにも、フィリピンにも等しく距離を置いた目線で見れればもっと楽しめたかな?もしくはどちらかといえばシンガポールの方をより詳しく知っている立場だったら・・・。

「へーっ自分が肩入れしている人たちが出稼ぎに行っているところってこんなところなんだぁ」と、多分殆どの人が感じないような感慨に浸りながら観ていたのでは・・・と思います(笑)。

4月3日まで上映されていますので是非ご覧下さい!→元町映画館にて!

ところで、今日、シンガポールの元首相リークアンユー氏がお亡くなりになったそうです。
低迷するフィリピンを尻目に、シンガポールをアジア随一の近代国家にまで発展させた指導者でした。
ご冥福をお祈りします。


フィリピンとリークアンユー氏には面白いエピソードもあります。
エストラーダ氏がフィリピン大統領に就任当時、リークアンユー首相と会った際、リー首相が、混沌から抜け出せないフィピンのエストラーダ大統領に対し、
「私がフィリピン大統領なら一年でマニラをシンガポールにしてみせる」
と言ったのに対し、エストラーダ大統領は
「私がシンガポールの首相なら三日でシンガポールをマニラにしてみせる」
と返したそう。
どっちもどっちというか、いずれにせよどちらも個性的で興味深い人物でした(エストラーダ氏はご健在です、念のため)。