随分前、バレンタインシーズンにフィリピンに滞在したことがあったのですが、ショッピングモールや市場は花やプレゼント商品でいっぱい。
学生も多いエルミタのRobinsonsでも1階の通路に花売りコーナーが設けられていて、たくさんの人が訪れていました。
様々な色のバラが所狭しと置かれていて、その美しさにしばし足を止めてみている人、真剣な眼差しで花を選んでいる若者などで大変にぎやか。
サンプルとしてブーケにして飾ってある花束があったので、店員の女の子にあれいくら?と聴くと確か2,000ペソくらいだったような。
えーっ(当時のレートで大体5千円)そんなにするの?たいそう豪華なブーケでしたが、2000ペソとは・・・。いったい誰が買うんやろ?と見ていると、さすがに同じサイズのものが飛ぶように売れていたわけではなかったですが、どう見ても10代~20代前半と思しき青年達が選び抜いたバラを束ねてもらって、500ペソ、1000ペソ紙幣で支払っていました。
若い世代なら一日働いて100数十ペソかそこらがいいところ。バレンタインデーにかける本気度は正に命がけレベル(笑)。
ゴムぞうりに色あせたTシャツ姿の少年もやってきてありったけのバラを買っている姿は驚きを通り越して感動もの。

フィリピンのバレンタインデーは日本のように女の子から男の子へといった習慣はなく、基本的に男の子がお目当ての女の子にプレゼントを贈る日。また家族間でも日頃の愛情を込めてプレゼントを渡したり、奥様をディナーに招待することも。とにかくロマンティックが止まらない(古っ)状態なのです。

もちろん、ホワイトデーなどという無粋な習慣もなし(キッパリ)。何かしてやったから見返りを・・・なんて「つや消しなこと」を考えてはいません。とにかく思いのたけをぶつけるのがバレンタインデー。ただひたすら「YES」の笑顔をゲットせんがためにがんばるフィリピンの若者達でありました。




Martin Nievera / Return to Forever