【マンガ感想】
『3月のライオン 7巻 (羽海野チカ)』
3月のライオン 7 (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ 白泉社 2012-03-23 by G-Tools |
【あらすじ】
新人王を獲った零だったが、いじめられているヒナのために、自分が何もできないと勝手に思い込んでいた。一方、ヒナは学校で心が折れそうになりながらも、懸命にいじめと戦っていた。二人の様々な思いが交錯する中、物語は新たな展開をみせる。「本当の強さとは何か?」あなたに問いかける『3月のライオン』第7巻、ここに登場です。
『ハチミツとクローバー』の作者が描く最新作。
17歳にしてプロ将棋棋士(5段)である主人公・桐山零。
しかし、彼は幼い頃に家族を失い、居場所を失った。
そんな彼が唯一、全てを忘れさせてくれるのが将棋だった。
心を閉ざした彼の周りには、暖かい人々で溢れ、徐々に彼の心は開いていく・・・。
という将棋の棋士を主人公としたハートフルストーリー作品。
子供の頃から不幸が続き、孤独のままに育ってきた主人公・『桐山零』。
そんな彼にお節介を焼く『3姉妹(あかり・ひなた・モモ)』、終生のライバル・『二海堂晴信』、
将棋の先輩・『松本一砂』と『スミス』など、彼と彼を取り巻く人々との交流を描いた作品です。
----------
ここからは、7巻の感想。
7巻では、かなり前から描き続けられている『ひなちゃん』関連のいじめの話が一段落する話が
描かれつつも、新人戦を制した主人公・『桐山零』が記念対局で『宗谷冬司名人』と対戦すること
が決まる話が描かれました。
そんな7巻のメインとなるのは、やはり主人公・『桐山零』関連の話かな。
この話は、前巻のイベントで、主人公・『桐山零』が新人王となったところから始まります。
新人王になると、時の第一人者と記念対局をすることができるようで、主人公・『桐山零』の
場合は、ナント、最強名人である『宗谷冬司』と対戦することとなりました。 しかも、今回の
記念対局に限り、タイトル戦のようにホテルで行われるというのです(通常は将棋会館)。
何故かと言うと、この2人の対局は“現名人と将来の名人の初めての対決”と呼ばれるほど
“話題性”が抜群の対局であるからでして、不景気でスポンサーが付きにくい現在の将棋界の
中でも数少ないスポンサーを呼び込めるコンテンツであるようです(2人共に中学生でプロと
なった人物であり、また、中学生でプロとなった人物は全員名人になっているようです)。
主人公・『桐山零』としては、憧れの『宗谷冬司名人』とタイトル戦のように対局できることに
驚きつつも高揚する様子が描かれていきます(記念対局とはいえ、このような形で名人と
対局できる機会は少ない)。
そんな主人公・『桐山零』の話題と同時進行で、もう一つのタイトル戦の挑戦者が決まる
こととなります。 ナント、主人公の兄弟子のような存在の『島田開八段』が獅子王戦に
引き続き、棋匠戦の挑戦権を手にしたようで、以前から多く登場している還暦手前の
『柳原棋匠』との対局することとなりました。
(↑いつもは会長と漫才をしているが、対局となるとやたらに格好良くなる『柳原棋匠』)
この対局では、実際の対局の様子よりも、現在の将棋界の世知辛い話が描かれているため、
華やかさはゼロでありますが、『柳原棋匠』のベテランらしいしぶとさが上手く描かれておりますし、
何よりも、あの超良い人・『島田開八段』の話であるため、非常に続きが気になる展開となって
おります(個人的には、『島田開八段』に“棋匠”になってもらい、将来、主人公が挑戦するという
感じの話が読んでみたい)。
そして、話は、主人公たちの話に戻りまして、今巻のラストでついに主人公・『桐山零』と
『宗谷冬司名人』とが対峙することとなりました。 ここで、次巻へ続いていくこととなりまして、
次巻以降は、この2人の対局が中心に描かれていくのだと思われます。 引きの部分で、
この対決が“想像もつかなかった四日間”と書かれているので、恐らく、かなり主人公が
色々と苦しめられていく展開が描かれていくのではないかと思われます。
いや~、面白かったです。
次巻も楽しみです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【総評】
上記では取り上げませんでしたが、『ひなちゃん』関連のいじめの話が今巻で一段落しました。
全てがハッピーエンドとはいきませんでしたが、『ひなちゃん』に昔のような笑顔が戻る描写は
非常に素晴らしかったと思います。 あっ、ちなみにですが、表紙の女の子は新キャラでは無く、
メガネをかけた『ひなちゃん』です(本編の一場面)。 表紙だけを見て、「ここにきて、メガネっ娘な
新キャラを投入か!」と期待したのは私だけではない・・・と思いたい(笑)。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。