『センゴク天正記 12巻 (宮下英樹)』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『センゴク天正記 12巻 (宮下英樹)』

 

4063821056 センゴク天正記(12) (ヤンマガKCスペシャル)
宮下 英樹
講談社 2011-11-04

by G-Tools

 

 

過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻  12巻  13巻  14巻  15巻

               センゴク外伝桶狭間戦記 1巻  2巻  3巻  4巻  5巻

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                          10巻  11巻

 

 

【あらすじ】

仙石らが補給路の分断に尽力する中、三木城は兵糧攻めにより陥落寸前‥‥。羽柴秀吉の播州攻略は大詰めを迎える!一方、信長の総攻撃開始の風聞に石山本願寺は大きく揺れていた‥‥。和睦退去か、徹底抗戦か――岐路に立たされた法主・顕如が、本願寺の未来を拓くべく決断を下す!! 播州攻略編&本願寺焼塵編を完全収録!! 信長vs.本願寺の十年戦争、決着の時!!

 

 

『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。

圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。

現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。

 

この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、

実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。

あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。

時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、

その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。

戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!

 

さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。

 

誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、12巻表示されておりますが、

この作品は、実質的『センゴク』の27巻目に当たります。

つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。

やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。

 

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ここからは、12巻の感想。

 
『羽柴軍』は、『別所長治』が守る三木城を兵糧攻めにし、ついに降伏開城(別所長治は自害)となり、

播州攻略を終える。 『織田信長』は三木城開城を受け、ついに、本願寺攻めを本格的に開始する。

 

という感じで始まったのが12巻でして、ついに、織田信長包囲網を作り上げた張本人・『本願寺顕如

光佐』が総帥を務める“本願寺”との全面戦争を始めることとなりました。
 
まんが栄養素-センゴク天正記 12巻
 

ちなみに、『本願寺顕如光佐』とは、一向一揆などを起こしている浄土真宗本願寺教団の総帥

でして、この作品では、関西弁を喋る陽気なおっさんとして描かれております。 彼は『織田信長』
と対立し、『武田信玄』や『浅井長政』らと“織田信長包囲網”を作り上げた人物として有名でして、
実に11年間も『織田信長』と戦い続けた人物です。

 
その『本願寺顕如光佐』が守る石山本願寺に、『織田信長』が“合戦か和平”かを迫ってくるシーンから、

本願寺編が始まることとなりました。 『織田信長』としては、すでに本願寺は四面楚歌状態にあり、
力を持って一気に攻め落とすことはできるのですが、わざわざ、朝廷へ工作を行い、本願寺との

和睦を試みようとします(朝廷を利用して和睦することにより、織田の権力を天下に知らしめるため)。

 
まんが栄養素-センゴク天正記 12巻
 
まんが栄養素-センゴク天正記 12巻
 

『織田信長』は和睦条件として、“本願寺に大阪退城すれば命を保証する”というものでして、

その和睦条件を受け入れなければ合戦となることを意味します。 本願寺側としては、一度、

『織田信長』に裏切られているので、“大阪退城すれば命を保証する”という条件を疑うのですが、

『本願寺顕如光佐』は、「今回の和睦は朝廷の仲介であるため、以前のように裏切らず、

約束は守るはずである」という考えのもと、門徒・民衆たちと話し合うこととを選択します。
 
まんが栄養素-センゴク天正記 12巻
 

結果的に、『本願寺顕如光佐』は民衆のために和睦を受け入れ、一からやり直すことを

選択します(信長により大虐殺や裏切りは無かった)。 『織田信長』も『本願寺顕如光佐』が

和睦することを選択することは間違いないと思っていたようで、本願寺との停戦を表明します。
 
まんが栄養素-センゴク天正記 12巻
 

しかし、本願寺の『本願寺顕如光佐』の息子で急進派の『本願寺教如光寿』が、父親の

意に反し退去を拒否し、徹底抗戦を主張します。 『織田信長』はすぐに本願寺の人々の心を

分断するような戦略を行い、『本願寺教如光寿』を孤立させることに成功します。 『本願寺教如

光寿』は、その状況に心が折れたようで、最終的に、『織田信長』の和睦条件を受け入れ、

大阪退城をすることとなりました。
 
ということで、次巻へ続いていきました。

11年という長い期間を戦い続けた本願寺との決着が、かなりあっさりと終わってしまったのは

ちょっと肩すかしでありましたが、『佐久間盛政』が失脚するきっかけとなったイベントが描かれたのは

面白かったですし、行方不明だった元ヒロインの『お蝶』が再登場してきたのは面白かったです。

 

次巻も楽しみです。

 

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【総評】

本願寺編が終了しました。

本願寺編で、元ヒロイン・『お蝶』が再登場してきたのには驚きました。

主人公とは出会わず、広島の方へ逃げたようなので、いずれまた再登場してきそうですね。

まあ、当分、再登場するようなイベントが描かれそうにはなさそうですけど・・・。

 

点数的には

100点

です。

 

 

では、ここまで。

 

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