【マンガ感想】
『風雲児たち 幕末編 17巻 (みなもと太郎)』
風雲児たち 幕末編 17 (SPコミックス)
みなもと 太郎 リイド社 2010-07-28 by G-Tools |
過去記事はこちら → 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻 13巻 14巻 15巻 16巻
【あらすじ】
中条省平氏、激賞!! 『あまりに壮大で…』七転八倒の幕府と諸藩、大騒ぎの日本は…歴史大河ギャグ!!あまりに壮大で破天荒な近代日本の序曲。『風雲児たち 幕末編』と比べれば、『坂の上の雲』さえ、ささやかな後日談にすぎない。(学習院大学教授・中条省平)
幕末・・・に入る少し前の時代を描いている歴史マンガです。
この作品は、ナント1979年から連載がスタートしているらしく、
何度か不遇な扱いを受けつつも、連載誌を変えて20年以上も連載されている大作です。
潮出版社時代には、本屋でこの作者の作品を見かけることはあまりできませんでしたが、
2001年にリイド社に移籍してからは、各種メディアにも取り上げられる機会も増え、
ありがたいことに、普通の本屋さんでも最新刊を手に入れやすくなりました。
現在は、『幕末編』と名称を変えて連載を続けておりまして、
坂本竜馬・勝海舟・吉田松陰・村田蔵六・桂小五郎・島津斉彬・西郷隆盛・土方歳三など、
幕末に影響をもたらした人物や、幕末で活躍する人物を掘り下げながら、
スローペースで描かれております。
ただ注意点がありまして、間違っても、『幕末編』からこのマンガを買ってはいけません。
この『幕末編』は、20冊(ワイド版)ほど発売されている作品の続編であり、
そちらを読んでから『幕末編』を読まないと、面白さは半減以下であると思います。
もちろん、そのオリジナル作品は、定価で買う価値のある魅力的な作品ですので、
興味のある人は、ぜひとも『オリジナル』をご覧くださいませ(^^ゞ。
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ここからは、17巻の感想。
17巻では、『西郷隆盛』と『月照』との逃避行から始まり、『吉田松陰』による決起、『吉田松陰』と
その弟子達とのやり取り、『間部詮勝』と『孝明天皇』とのやり取り、『岩倉具視』の台頭、そして、
『桂小五郎』と『村田蔵六』との再会などが描かれております。
そんな17巻で面白かったのが、『岩倉具視』の台頭です。
『岩倉具視』とは、下級公家出身の政治家で、『大久保利通』らと共に幕府を倒すことに尽力し、
その後作られた新政府でも政治家として活躍した人物です(お札に肖像が使われるほど有名人)。
そんな『岩倉具視』の台頭のきっかけが描かれたの17巻です。
きっかけとなったのが、幕府側の役人・『間部詮勝』が『孝明天皇』に無断で他国と結んでしまった
『安政五カ国条約』を正式な条約として認めてもらえるように頼んでいたイベントでして、このイベントに
間接的に関わることで『岩倉具視』が台頭していくことになりました。 ちなみに『安政五カ国条約』とは、
あの有名な不平等条約・“修好通商条約”のことで、この条約は天皇に無断で『井伊直弼』が勝手に
他国と結んでしまった条約のことです。
とはいえ、この時点で、『岩倉具視』は『孝明天皇』に拝謁できないくらいの下級公家でありました。
そこで、『岩倉具視』が使ったのが、『孝明天皇』に仕えている妹・『堀川紀子』でして、彼女を通して
『岩倉具視』は自分の考え方を伝えることとなります。 手始めに行ったことは、『安政五カ国条約』を
正式な条約にしてもらおうと“あることないこと言って”説得してくる幕府側の役人・『間部詮勝』を
利用することでして、このことにより、『井伊直弼』・・・いや幕府は大変なことになってしまいます。
(↑妹・『堀川紀子』を通して、『孝明天皇』に自らの考えを伝える『岩倉具視』)
具体的には、『間部詮勝』が勅許欲しさに「一応開国するけど、いずれ鎖国に戻すよ~」とあること
ないこと言い出したことに対して、『孝明天皇(というか岩倉具視)』が「じゃあ許可してやるから
おまえが言った約束は絶対に守れよ!」と言い出したわけです(上記の写真はそのシーン)。
『井伊直弼』としては、部下である『間部詮勝』がそんなことを言って説得していたことすら知らず、
当然、ひっくり返ってしまいます。 そりゃ、『井伊直弼』出なくても、ひっくり返ります(笑)。
まあ、『井伊直弼』の人材の見る目のなさが一番の原因なのは間違いないですけどね・・・。
このことがどのように歴史に影響していくのかは、次巻へ続いていきました。
さてさて、どうなることやら。 次巻も楽しみです。
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【総評】
取り上げませんでしたが、今巻の本当のメインは、『吉田松陰』の行動でしょうね。
正直、この時点での『吉田松陰』の行動は狂っているとしか思えないのですが・・・。
次巻も楽しみです。
点数的には
88点
です。
では、ここまで。