【マンガ感想】
『高校球児ザワさん 2巻 (三島衛里子)』
高校球児 ザワさん 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
小学館 2009-07-30 by G-Tools |
過去記事はこちら → 1巻
【あらすじ】
都澤理紗は、どこにでもいる普通の女子高生。だだひとつ、日践学院高校野球部唯一の女子部員であることをのぞいては……。そんな“ザワさん”の、フェティシズム溢れる“ささやかな日常”。
日践学院野球部の唯一の女子部員・『都澤理紗(通称:ザワさん)』の活躍を描く作品です。
西東京代表として甲子園に出場する強豪・『日践学院』。
その『日践学院』の野球部には、『都澤理紗』という女子部員が所属している。
高校野球の規定上、女子は公式試合に出られないが、大好きな野球をするために野球部に所属し、
日焼けをしながら、野球漬けの毎日を送っている・・・。
という感じの作品でして、『日践学院野球部』に所属する女子部員・『都澤理紗』の活躍と、
その『都澤理紗』と共に甲子園を目指す『日践学院野球部』の部員たちとの交流を描く作品です。
『野球』+『女性プレイヤー』
と聞いて、水島新司先生の名作・『野球狂の詩』に登場する『水原勇気』を一番に思いだした方は、
水島新司先生のファンか、相当な野球漫画マニアな方であると思います(笑)。
この作品に出てくる『都澤理紗』も、『水原勇気』のように女性でありながら男性の中で野球をしています。
ただし、女性部員なので、残念ながら野球規定があるために公式試合には出る事は出来ません・・・が、
野球への情熱は男性部員にも負けず、日々、練習に汗を流しています。
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ここからは、2巻の感想。
2巻では、1巻と同様に日践学院野球部の唯一の女子部員・『都澤理紗(通称:ザワさん)』の活躍を
第3者視点で描きつつも、『ザワさん』と同級生の1年生部員の『花村』・『守口』・『楠本』の3人にも
それぞれにスポットが当てられております。
そんな2巻の個人的に注目したい話は、105ページから描かれた『チームメイト』という話です。
この話は、『ザワさん』・『花村』・『守口』の1年生3人が、タラタラと練習をしていたということで、
日践学院野球部の東海監督にチームメイト全員の前で怒られてしまったという話です。
この話で、日践学院野球部の東海監督が、『ザワさん』・『花村』・『守口』の3人に対して鉄拳制裁を
行うわけですが、そのときに『花村』・『守口』と同様に、女子部員である『ザワさん』に対しても、
同じように鉄拳制裁を行いました。 そこには、“女性部員だから”という考え方は一切無く、
『ザワさん』を野球部員として平等に扱っているからこその鉄拳制裁でありまして、
『ザワさん』自身も他の部員と同じように扱われて嬉しいそうな表情が印象的でした。
こういう監督だからこそ、公式試合に出場できない女性部員の入部を認めているのだと思いますし、
こういう監督が指揮をしているチームだからこそ、『ザワさん』も野球に真剣に打ち込む事が
出来ているのだということが判りました。 こういうエピソードを読むと、感情移入がしやすくなり、
ますます面白くなりますね。
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【総評】
前巻の感想にも書きましたが、
『女性が男性の中に混じって野球をしている』というシチュエーションを楽しむ作品です。
野球漫画としては、変化球のような漫画でして、普通の高校野球漫画を期待して買われると、
肩透かしを食らってしまう可能性が高い作品ですが、結構面白く仕上がっています。
まあ、万人に受けるかどうかは判りませんけど・・・。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。