【マンガ感想】
『Baby Steps(ベイビーステップ) 1巻 (勝木光)』
ベイビーステップ 1 (1) (少年マガジンコミックス)
勝木 光 講談社 2008-02-15 by G-Tools |
【あらすじ】
「マジメ」に生きるってすごくカッコいい!!この漫画、絶対本気になりますよ!!――プロテニスプレイヤー・松岡修造
マジメ少年+美少女×テニス=熱血スポコン!?
成績はずっとオールA!几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!?快感、そして悶絶のらせん……。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!
テニスをテーマとした作品。
学校の成績が小学校からオールAという主人公・丸尾栄一郎。
そんな優等生で几帳面な彼が、高校生になったことで「運動不足にならないために」と、
近所のテニスクラブに通うことになる。
という感じのストーリーで始まります。
『今まで特に運動経験のない主人公がテニスにハマっていく』という展開に、
テニス経験者で同級生のヒロインが絡んでくるというスポ根系ストーリー作品です。
この作品の魅力は、努力し続ける主人公・丸尾栄一郎と、
その主人公・丸尾栄一郎の几帳面な性格から作られた『栄ちゃんノート』。
この『ノート』は、彼独自の視点によりテニスというスポーツを解剖したことを纏めたノートで、
例えば、『フォアハンドという動作はこういう姿勢で構えこういう姿勢でラケットを振る』ということが
絵付きで細かく解説してあります(簡単に言えば、自分でテニス本を作っている感じ)。
論理だけで纏め上げたのではなく、主人公自ら経験したことを書いているので、
ストーリー部分で描かれていない部分でも主人公が努力している事が判ります。
テニスに対して真摯に向き合う主人公像は、万人に受けると思います。
ただ、個人的に、『江川逞』というキャラクターは酷いですね。
テニス経験者で全国レベルの才能を持っており、将来の主人公のライバルであると思われますが、
ヒロインラブな性格で、主人公とヒロインが話していることに嫉妬し、そのことで主人公に暴力を振るい、
さらに、主人公に実力差を判らせるために無謀な勝負を持ちかけてきます(自己中な性格)。
正直、ここまで『人としての器の小さい』ライバルキャラは久しぶりに見ました。
もちろん、彼がヤムチャポジションのキャラクターならこういう設定でも大丈夫ですが、
この『器の小さい』キャラが、かなりの高い確率で生涯のライバルになりそうなのが微妙です(^^;。
まあ、ストーリーが進んでいくにつれて、性格も変わっていくと思いますが、
1巻目で肝心のライバルキャラがここまで駄目キャラだと、次の巻を買おうという気が失せてきます。
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【総評】
1巻の出来は、可もなく不可もなく普通な感じ。
『栄ちゃんノート』の発想は良いと思いますし、真面目にテニスを描こうとしているのも好感をもてます。
後は、上記の『江川』をまともなキャラクター設定に変化させて、
魅力的な脇役キャラクターを増やしていけば、一気に面白くなりそうです。
点数的には
75点
です。
では、ここまで。