NHKスペシャルの「こもりびと」を見ました。



当たり前って何でしょうか。
普通、って何でしょうか。



高校、大学を出て就職して家族をもって、親孝行する。



これが世の中の普通、なのでしょうか?



どんなことにも、必ず理由はあります。
もちろん、引きこもることにだって人それぞれ理由があります。



いくら親子でも、家族でも、別の人間です。全ての理由がわかるはずはありません。



それなのに、周囲の「普通」の人間は引きこもりを軽視し、働くのが当たり前、引きこもるのが異常、と引きこもっているという状態だけを見て判断します。



このままだと、親がいなくなったらどうやって生きていくのか?周りはこんなに頑張ってるのに…。ドラマの中でも出てきました。



でもそんなことは、当事者が一番よくわかっています。「毎日が夏休みの宿題が終わらない8月31日」という表現。涙が出ました。



「普通」の自分とは世界が別だとか、頑張ってないからそうなったとか、そんな考え方、見方は間違っています。引きこもりは、いつ誰がなってもおかしくありません。今、大学を卒業して就職している「普通」の人たちは、運良く「普通」になれているに過ぎません。もちろん、今までの努力あってこそと思います。今の自分になる為に努力していない人はいないでしょう。



しかし、だからといって引きこもっている人が努力していないとは限らないのです。



引きこもることって、凄いことだと私は思います。
私は持病で就職しない道を選びましたが、これで良いのか、今でも手が震えます。普通の人たちのレールから外れるというのは、とてつもなく恐ろしく感じます。



そう考えると、その道を選ぶしかなかったなど、どんなに恐ろしかったことかと思うのです。



世の中、全く同じ人間はいないというのに、幸運なことに「普通」に生きていられる人達の道から逸れれば除け者にされ、生きる意味さえ奪い去ってしまう。



気の毒、で済まされる問題ではありません。
もっと社会全体で考え変えていくべきです。
人間誰しも、今日と同じように明日を終えられる保証など、ないのです。



こうみ