1998年2月28日(土) バンコク 晴れ
バンコク4日目。
今日は、ついにベトナム行きのビザを受け取る日だ。
パスポートを預けていたので、午前中から早めに店に向かった。
そして、無事にビザを手に入れた。
これでバンコクでの目的は果たしたが、実は大きな問題が残っていた。
ベトナムに行く理由は、大学の卒業旅行を兼ねてベトナム語を学ぶことだった。
日本を出発する前に、業者に授業料と宿泊料を前払いし、3月2日から3月20日までの約3週間、ホーチミン市総合大学でベトナム語を学ぶ予定だった。
しかし、出発前に業者と連絡が取れず、到着便や到着日の詳細を現地スタッフに伝えられないままだったのだ。
電話が使えなかったので、これからインターネットカフェに行って、メールを確認する必要があった。
バンコクの街を歩き回ってインターネットカフェを探し、メールをチェックするも、返信はなかった。
とりあえず「3月1日にホーチミンに到着予定なので迎えをお願いします」とメールを送っておいた。
まあ、ベトナムに着けば何とかなるだろうと楽観的に考えていた。
今夜はバンコクでの最後の夜。
明日のベトナム行きも心配だが、まずはバンコクの夜を楽しむことにした。
夜のカオサンロードに繰り出してみると、昼間の顔とはまるで違う。
夜は完全に『大人の街』だった。
店内は丸見えで音楽が駄々洩れし、カウンターの上で上半身裸の女性たちがダンスをし、男性たちが興味津々で見上げていた。
意外にも女性客もちらほら見かけた。
同じくタイを訪れていた日本人のバックパッカーと知り合い、ビールを片手に互いの旅の話を楽しんだ。
タイ最後の思い出としてタイ式マッサージを受けようと、「タイ式マッサージ店に連れて行って」とトゥクトゥクのおじさんに頼んだ。
しかし、連れて行かれたのはなんとソー●ランドだった。
行き先が違うと抗議したが、「見るだけならタダだよ」と言われ、無理やり店内に連れ込まれた。
さらに驚いたことに、お店の従業員から「中国人はダメだ」と言われたが、日本のパスポートを見せると態度が一変、すぐに入店を許された。
日本のパスポートの威力を実感した瞬間だ。
店内に入ると、幅10メートルほどのガラスの向こうに30人から50人の女性がずらりと並び、男たちが品定めをしていた。
エイズなどの病気が心配だったので、その光景を見て早々に店を出た。
結局、タイ式マッサージ店にはたどり着けず、ホテルで就寝した。
明日はいよいよベトナム入りだ。
どんな冒険が待っているのか、楽しみと不安が入り混じる夜だった。