こんばんは。窓の外から肉を焼くいい香りがして悶絶した麦野です(笑)

さて!
久々に読んだBLの感想記事を書こうかなあ…と!
楽しみにしてくださっているかたがいたらうれしいのですが!!
今回書くのは、

市川けいさんの「ナチュラチュラリィ」

リブレから出ています。


以前、アンソロジー(「女子BL」というアンソロジー)で表題作を読んでおり、その感想は書いたことがあるのですが、満を持して(?)単行本もゲッツしたので、改めて。

※以下、ネタバレ含みます。





単行本のタイトルにもなっている「ナチュラチュラリィ」を含む、短編集になっています。
どれもよかったのですが、今回は特にお気に入りだったお話の感想を書こうかなあ、と。


まず「ナチュラチュラリィ」


以前を感想を(↑)すごい勢いで書いたように、大好きな、大好きなお話です。
ずっとずっと一緒だった双子の兄妹と、そこに現れた兄を好きだという「アイツ」のお話です。

以前いろいろ書いたのでここでまた書くのは控えますが(書きたいけど)。。
表題作なので、表紙が登場人物の3人なのですが、また切ないのです…。
表紙では3人。
けれど、裏表紙はふたりなのです。兄と、兄を好きだと言った「アイツ」。妹、女の子は、裏表紙をめくったところにいるんですよね。…せつねー。゚(゚´Д`゚)゚。
後ろ姿なんですよ。せつねー!!!です。



次は「ベランダにて」
ちょっと不思議なお話でした。

引っ越して三日目に気がついた、ベランダにいる自分以外の存在。どこかで見たことのあるその人には触れることもできず、相手は自分の存在にも気づいておらず、謎の同居(?)生活がはじまります。
そのうち、その人の正体が通勤中やご飯を食べに出たときにときどき見かける人だと気づき……。

見えるのは、ベッドの端だけ。
詳しいことはよくわからない。相談した人は生き霊のようなものではないかと言う。
なんとも奇妙で、絶妙で、けれど微妙に顔見知り(?)だから全く気にしないわけにもいかない。
一方的に知ってしまったプライベート。
外では笑っていたのに、帰ってきてわんわんと泣く姿を見てしまった。
たまらない距離感でした…そして、「その人」の泣く姿がたまらないこと、たまらないこと!

主人公と、「現実(?)」の彼との関係は、ラストでようやくはじまる、くらいなのですが…テーマや距離感が好きなお話でした。


あとは「道連れ」ですね。わーお、タイトルが不穏←
これもアンソロジー収録作品だったようで、タイトルが「下衆BL」と。…こちらも激しく気になるのですが(笑)

下衆。下衆…でしたね。
道連れというワードがぴったりだなあと思うふたりのお話でした。

身体だけの繋がりだった相手が、新しい恋人ができた、と言ってきたけれどそれまでの関係性はそのまま、かと思えば急に「会うのやめるね」「彼が嫌だって言うから」なんて言ってくる。
おまけに別れ際に「もうちょっとマトモな恋愛したほうがいいよ」なんて言う。
まあ!なんて男でしょう!!お主がそれを言うか!!!とか思いつつ(※麦野が・笑)、時間は経ち、一年後にふたりは不意に再会します。

今は、お互いに相手がいる。
マトモ、と言ってもいい恋愛もしている。なのに、目の前に現れた相手は。

受けの子は、どういう気持ちでああいう台詞を言っているのかなあと考えてしまいました。なにも考えていないのか。
けれど、マトモな恋愛をしなよとか言いながらもいざそういう話を聞いたときの、表情は一体。

悶々と考え込みました。恋愛なのか、そうじゃないのか、なんなのか…。



いろいろな題材の物語が収録されていて、とってもお得感のある短編集でした。
余は満足じゃ(* ´ ▽ ` *)です(笑)