最初にこれから書くことは決してレフェリーを非難するものではありません。
ただ単に大学選手権決勝の前半11分のプレーを検証したくなっただけです。
ルールをよく知らない素人の個人的見解なので誤解のないようお願いします。
まず前半11分のトライにつながったプレーを順序立てて書きます。
1)ボールキャリアの早稲田相良君(=以下早⑥)がタックルを受けて倒れる。
ラグビーは立ってプレーしなければいけませんがワンプレーはOK。
2)明治繁松君(=以下明⑦)がポイントに寄って左手でボールを拾い上げる。
この時久保レフェリー(=以下久保R)は、「イエス、ファーストマン」とコール。
(久保Rは右手人差し指を高く上げてファーストマンのジェスチャーをしています)
これは明⑦はラック成立前なのでジャッカルしても問題ないという意味のイエス、
ファーストマンはラック前に最初にボールに行った選手という意味だと思います。
ジャッカルはラック成立後はダメですがジャッカル後のラックはOKです。
3)ほぼ同時に早稲田小林君がやってきて明⑦に身体を当ててラックになる。
早⑥は明⑦が股間から味方に渡そうとしているのをボールを離さずに阻止する。
4)明⑦が早⑥にはたかれ(かきだされ)てボールを前にこぼしてノックオンの判定。
この時久保Rは左手を横にして「ノックオン、ファーストマンアトノックオン」とコール。
ノックオンということはジャッカルが成立し、攻撃権が明治に移ったことになるので、
早⑥のタックル後のワンプレーは既に終わっているということになるかと思います。
5)ノックオンしたボールをSH齋藤君が拾って右オープンに展開してトライ。
久保Rは「ノックオンアドバンテージ」→「アドバンテージオーバー」→「トライ」とコール。
このシーンで物議になったのは相良君のプレーがハンドの反則かどうかってことです。
結局、スローVTRが流れてもTMOにかけられることなく早稲田のトライが認められました。
私はこのシーンを何度も見返し色々調べましたが、納得いく答えは見つかりませんでした。
結論を言うと相良君のハンドかオフフィート(自立してない)の反則が適当だと思います。
ラグビーは基本的に立っていないとプレーに関与することができないスポーツです。
相良君は寝たままのプレーなのでラックならハンド、ラックでなければオフフィートです。
ラグビーのルールはとても複雑で難しく状況次第でどのようにも判断できてしまいます。
例えば相良君がボールを離さなかった時点で、ノットリリースザボールの反則になります。
繁松君がボールを拾い上げる行為はラック成立ならピックアップ(ハンド)の反則です。
論点からズレますが齋藤君からボールが出た時、明らかに明治の選手がオフサイドです。
今回はTMOを導入していたので、TMO担当者から何もなかったとしたら気がかりです。
RWCではトライにつながるプレーはTMOの対象で、実際に取り消された例もあります。
今回はトライシーンだけTMOを使いましたが、大きい試合ではもっと範囲を広げるべきです。
TMOの乱用は試合の流れを壊したりしますが、人間がジャッジするのも限界があるので、
私としてはTMOで時間がかかりすぎるよりも誤審で台無しになる方が後味が悪いです。
ラグビーはテニスやバレーと違って選手が審判に意義申し立てすることはできません。
テニスやバレーはチャレンジシステムがあって主審に再ジャッジを申し出ることができます。
ラグビーは審判に権限がある以上、誤審防止のためにTMOをもっと活用してほしいです。