今、世の中は、ついこの間までの感覚では「ありえない(=非現実的である)」ことで溢れているのではないでしょうか。
働く人の仕事の4割が非正規の仕事で、全く先が見えない状況。そして、アメリカの軍艦と中国の軍艦が、ぶつかる寸前(91m)まで接近することに象徴される急速な戦争情勢。もちろん、日本の政府もそそくさと軍事会議(=国家安全保障会議)を開始し、また、戦争(=国益追求)に反対する人々を取り締まる法律を成立させました。
そう、かつての「あり得ない事」が現実になり、テレビで映し出されている「絵空事」は非現実です。景気のいい1%のリッチぶりを映し出し、戦争なんてどこ吹く風でスポーツ、お笑い、ドラマ♪
しかし、あくせく目の前のことを頑張って、気がついたら戦時体制、というのも戦前の現実のようです。
「戦争が 廊下の奥に 立っていた」
これは、戦時中の京大生が書いたもののようですが、なんとも不気味ですね。気がついたら、ぬっと戦争が迫っていた、その感じがよく出ていると思います。
テレビやマスメディアは、私たちの目の前にありますが、そこで映し出されているものはむしろ、今の現実ではない。むしろ、リアルが溢れ出すのを押しとどめようとする装置だと思います。
「革命と呼ばれる社会現象は、社会内に潜在していた諸矛盾が爆発的に露呈する、つまりリアルなものを押しとどめていた殻が破れて社会の本当の中身が溢れ出て来る現象である。」つまりは、革命を遂行するとは「リアルなものを一層リアルなものとするということ」と白井聡さんが指摘しています(『未完のレーニン』2007年)が、そういう意味では、戦争か、革命か、がリアルに迫る時代が到来しているのでしょう。
そして、それは、今を生きる私たちの日常の行いの選択が迫られる時代だということだと思います。戦争は廊下の先、つまり、生活の中にまでやってくるのです、それが現実です。そして、公安警察は、もうとっくに監視を開始しています。
