このBlogは基本的には、「同じ車名の記事は1世代に1つだけ」と決めているのですが、「すごく変化しているもの」に気がついた際には、2回(2回以上になったことはこれまでないです。恐らく今後も)掲載する場合があります。
今回は、スバルのレヴォーグがその対象です。レンタカー店で車両を渡された時には、「まあ、STIってマークが入った車両ね。」ってただ、そう思って乗り込んだんです。
オリジナルの車両に比べて、ものすごく印象が違います。
通常、どんな車両を借りる時も最初の交差点を曲がるところで判断するんです。「いい1日になるかどうか。」
最初の1つ目の交差点での判断は、まず外さないです。が、このSTI仕様車の場合・・・
レンタカー店の店舗を出る段階ではっきりわかります。
「ECUマップ変えてる・・・ただバッチ付けてるだけじゃないのか?STIって。」
スバルの車両は、どの車両もとにかく「視界」「目に見えるもの」にものすごく配慮されているのですが、一つだけいつも残念に思うことがあるんです。
それは、「アクセルの踏み込み量と加減速感が一致していない。」こと。
駆動力そのものはあるんです。
スバル車ですから、この車両も当然AWDマシンです。
スバルの車両は、他のメーカーの車両と明確な違いがあります。外車も含めて。
それは、
1.繰り返しになりますが、とにかく視界に気を配っている。
2.フロント側が低い。重いものが、低い位置に取り付けられている感覚がある。
3.重心位置が低い感覚のせいか、高速道路でフロントバルクヘッドから前の部分が、上下に揺れる感じが少ない。すごく楽に一定の速度で走り続けられる。
4.交差点からのスタート時にアクセルの踏み込み量よりも多く「前に出る」感じがある。
この4.のところは、「AWDマシンだからだろ?」と思われるかもしれませんが、他のメーカのAWD車両と明確に違います。加速の仕方・・・ではなくて、タイヤに力がかかっている感覚が。(直近だと、あのGRヤリスよりもスバルの各車両の方が、前に進む感覚がる。)
ただ、スバル車には共通の残念なことが1つあって・・・(繰り返しになりますが。)
「アクセル量に対して、車体の動きが一致しない。」です。どの車両も。
それは、特に「過給機付きの車両に顕著」に感じられる感覚になります。
「明らかにノンターボのインプレッサは、だいぶマシだから、これは、過給機が電動ターボ化されないと、解消できないものなのかな?」と思っていたのですが、このSTIバッチがついたレヴォーグには、全くそんな違和感を感じないです。レンタカー店を出発する時にそっとアクセルを踏んだ瞬間にわかります。
エンジン側だけでなく、CVTも含めた駆動系全体の電子制御にだいぶ手を入れている・・・のだと思います。
とにかく「遅れ感がない。なのに過敏に車両が反応することもない。」ものすごく細かいセッティングが施されています。このSTI仕様車。
使い勝手そのものは、オリジナルのレヴォーグそのままです。
後端まで、フラットな荷室。
非常に太いゲートダンパーだと思っていたら、このSTI仕様車は、電動リヤゲート装備車でした。本当に便利だと思います。この装備。
この写真、わかりにくいと思いますが、荷室のフロアシートをめくったところです。こんな感じで、工具類が綺麗に収納されているのですが・・・
ものすごく驚いたものが入っていました。ここに。
わかりますか?
トノカバーです。荷室を覆うための。
使わない時は、こんな感じでフロアの下に収納できるデザインなんです。
こんな車両、初めて見ました。(レンタカーの場合、そもそも外されて貸し出されることが多いということもあるけど。)
「STI仕様車が最上位グレードなんだろうな」と思わされる装備がたくさんあります。
専用色(なんだと思います。)の本革シート。
後席も同様の処理です。この後席シートも他のメーカにはない工夫が施されています。
動画を撮影したのですが・・・やっぱり伝わりにくいのでやめておきます。掲載。
この後席シート、ノブを引っ張るだけで、パタンとシートバックが倒れるのですが、その倒れ方が秀悦です。動きが。
倒れた時に、荷室とフルフラットになるようにシート全体がデザインされています。
この辺りが、「セダンとツーリングワゴン」(ハッチバックとツーリングワゴンではない。)を分けるポイントなのかな。と思います。
後席の人に重点を置いてシートデザインをすると、「シートが折り畳める」構造は選択できないんです。
でも、セダンが絶滅危惧種になっていった原因の一つは、「頭上空間が狭い」「頭に後方ウインドシールドが迫ってくる。」構造だったが故だと思います。
折衷案が、このツーリングワゴン構造なのではないかな。と。ミニバンじゃなくてね。
ミニバンは、どこまでいっても「実用車」ですよ。「高級車」ではなくて。
外車にツーリングワゴン形態の車両が多い理由もその辺りなのではないかと思います。
「高級車」感がある装備は、後ろにUSB端子が揃っているだけでなく、シートヒータも装備されている車両です。このSTI仕様車。
「走りを意識した装備」も揃えられています。
ペダル類が大型化されているだけでなく、
ステアリングホイールのデザインも変わっています。赤いステッチが施されているだけではなく、恐らくグリップの太さも・・・ちが・・・う・・・ような。
正直、「せっかくだから、径もより小さくしてくれればよかったのに。」とは思ったのですが、ステアリングホイールの径を変えてしまうと、全体のセッティングを大幅に手を入れなければいけなくなるだけではなくて、安全面の再確認に費用がかかるでしょうからね。
そのあたりにかける費用を電子制御系のところに色々と振り分けてくれたんだと思います。
オリジナルのレヴォーグよりも大幅にセッティング項目が増えている液晶パネル。
AVH(パーキングブレーキの自動作動機構)もそのボタンがわかりやすい位置に配置されるようになりました。
自分で色々と好みの組み合わせができます。電子制御ステアリングの動きやパワーの出方だけでなく、ショックアブソーバの動きまで。
逆にここまで選択肢が広くなると「ああ・・・この目線が上下に動くようなセッティングを好むような人ががいるんだ。」とか、迷い・・・というか、「人の感覚はそれぞれだな。」と・・・
非常にいい車両です。レボォーグのSTI仕様車。
逆に・・・「この仕様を標準車としてしまったら、だいぶ好き嫌いが激しく出るだろうな。」とも思わされました。
車のセッティングって、難しいですね。