最近は体育館で全校児童が集まってというわけにはいかないので、式典はリモートで行います。

 離任式があると、「先生は出ていかないでしょ?」と子供から言われ、「いやーどうでしょ? 私も病弱だからさ〜」なんて言いながら思わせぶりのことを言っておきます。

 そして離任式に入ると、離任する教職員は教室を出て行くことになるのですが、私はこのコロナ禍スタイルになってから、毎年、わざとこのタイミングで教室を出て行って、「えっ!?」と子供たちを驚かせます。

 少し廊下で待機してから、改めて教室に入って「わははー!! 先生が出ていくと思ったか! 残念だったなー!」と言うのですが、複数の子供が「先生出て行っちゃうの・・・?」と泣いていました。泣かれたのはたぶん初めて。

 「えっ。泣いてくれたの? あ、ありがとう・・・ふざけてごめん〜」とあたふたしちゃいました。けっこう女子と精神的に幼め男子が私のことを気に入ってくれていたみたいで、その後、「思い出バスケットするぞ! 1年間で良かった思い出とかネタにしてな! あ、でも『メイ先生が好きな人ー』とか言うのは辞めてね・・・動かない人いたらさすがに先生も傷つくから」といったのに、「メイ先生が担任で良かったと思う人ー!」とか言われて、『同じ意味だろうが!』と思ったのですが、みんな動いてくれて、気を利かせてくれた子もいたと思いますが、まあ良かったです。

 動くたびに私の両腕を女子やら幼め系男子が引っ張ってきて、綱引きみたいになりながら「先生の妨害をするなー!」と、私も楽しく過ごさせてもらいました。

 ディスタンスの時勢ですが、通知表を渡す時には「良ければ渡す時に握手させて欲しい。ハグもありな人は、両腕を開いてください。」というと、一人だけ男子が握手を拒否っていましたが(漢字テストの点が悪くて何度も再テストさせたのを恨んでんのかな)、ほぼ全員と握手し、一部の男子とほとんどの女子はハグしてきました。

 最後にしんみりした卒業ソングをBGMにして、子供たちが成長したねと言う話と、実は毎日叱ったりする度に、「これで良かったのかなぁ」と悩んでいたことを告げ、最後は私は学校にいるから、困って悩んだことがあって私を頼りたくなったら、すぐにおいでね! どの学年のどのクラスになるかわからないけど、これでこの学級は終わりです。みんな、今までよくがんばりました。ありがとう! と締めくくりました。普段泣かない一人の男子が、朝の会の時点で泣いていたり、その後は私のドッキリでまた泣かれ、通知表渡しでも泣かれ、最後の話でも泣かれました。どんだけ泣くんだろう・・・と思いましたが、そこまで私のことを想っていてくれていたのはとても嬉しいですね。

 放課後は新学期に合わせて机椅子移動を5年生がしてくれるので、すぐに子供たちを教室から追い出さないといけないのですが、いつも放課後に居残るメンバーが何言っても出て行かず。まあ邪魔になる人数ではなかったので諦めて、5年生の仕事を見守り、5年生の中で私のことを気に入ってくれている問題児がなぜか一緒になって私の教室に居残ろうとするのを引きずって帰りの会をしている教室に放り込みながら「せんせー!この子、うちのクラスでだべっていましたー!」と担任の先生にチクッておきました。

 この子は何故か担任したことないのに私のことを気に入ってくれていて、次の担任は私がいいみたいなこと言ったり、今の担任は離任すれば良かったのに! とか、太々しい態度を取るもんだから困ったちゃんです。

 私はまっとうな感じの消極的な子にはあまり人気が取れないのですが、逆にこういう問題児には「なにやっとんねん」とツッコミ入れつつもキツく叱るタイプなのですが、それが逆に良いのか、慕ってくれるのは嬉しいけどクラスにいたら面倒だ・・・と思うばかりです。

 ともあれ、良い最終日を終えることができて良かったです。今年度も、コロナ疑惑の発熱があった時以外は毎日出勤できました。

 しっかり作り上げた学級を手放すと、バーンアウト症候群と自閉症スペクトラムで新年度への不安で春休みは不安を抱きながら過ごすのですが、あまりそのことを考えないようにしていこうと思います。できたらどこか旅行に行きたい気分ですが、夫は春休みらしいものがあるのかないのかってところなので、むんむんと一人で考えないように、積ん読していた小説で消化していきたいなと思います。