私は2つ上の兄と両親という家庭環境でしたが、両親はめっちゃというほどではないけど、兄に比べて関心が低かった。色々なエピソードはあるけれど、その一つに携帯電話事件がある。
中学1年だか2年だかの時、ディズニーランドに行こうとか母親が言い出しました。旅行好きな両親はディズニーみたいなキャラクターなんて一つも知らなさそうなのに、何故ディズニー? と思いました。それに、私も兄も特に興味はない。兄は遠出が好きなので、まあ、両親なりに長期休暇なんかに子供に色々な体験をさせたかったのかもしれない。
けれど私は超インドアなので、行きたくないと断固拒否。それでも強制連行されることとなり、初めて飛行機に乗りました(ディズニーまで飛行機の距離に実家があります)。
当時の私は携帯電話を持っておらず、2歳上の兄は持っていました。ちょっと羨ましいかな、とは思っていたけれど、時代的にまだ周囲で持っている子は多くないし友人も多くはない。なので特に必要性を感じてはいなかったのですが・・・
ディズニー旅行中、歩き回るのが疲れると思うだけで大した思い出作りもできず、反抗心で、バトル・ロワイアルの小説をずーっと歩きながら読んでいました。夢の国でバトロワっている私。
問題が起きたのは帰りの飛行機。羽田空港で、慣れない空港内を歩きながら、ただ疲れるだけだった旅行にうんざりしつつ荷物を預けて搭乗口ロビーまで移動しました。
その時、父から「これ捨ててきてくれ」と、缶コーヒーの缶を渡され、捨てに行って先ほどまでいた場所に戻ると、家族が忽然と消えていました。
???となり、??!と、「置いて行かれた!?」と気づく私。
とりあえず家族の場所が飛行機の中なのかもロビーなのかも分からないし、自分の分のチケットは持っているものの、初めての飛行機旅行ということでどうしたら良いか分からない私。
何とか手持ちの小銭で今では珍しくなっている公衆電話から、何とか暗記していた家族の携帯に電話したら、「えっ。ついてきていると思ってた。」と、母から言われる・・・電話してから気付くってマジ? 座席も隣り合ってるのに?
何とか自分で搭乗口のスタッフのお姉さんに案内してもらい、半泣きで家族と再会した私は「帰ったら携帯買ってもらうから。」と、へらへらしながら謝る母にブチギレ。父と兄は知らんぷり。父が私を駒使いにしたせいだろが。と思い、実家に帰ったらすぐに買ってもらいました。兄からは「えー、俺の時より早いじゃん」と文句つけられましたが、オマエとは状況がちげぇんだよ。
これで私がぽんこつで何もできずにオロオロしているだけだったら、一人で東京に取り残されていたかと思うと、当時は背筋がぞっとしましたね。
うちの家族ってなんなんだろ・・・と、自立心が育った上に、就職も狙ったわけではないですが、流れで本州に内定しても何の抵抗もなく「あばよ! もうかえらねーよ!」と出ていくことができました。
まあ、結局は就職してから5年くらいして、結婚することになった際に「一応親には顔見せしなきゃいけんか・・・」と、夫を連れ帰り「ああ、はいはい。いいんじゃない?」と、どちらも夫の詳しいプロフィールを聞く前にオッケーして、事前に義両親の方とは挨拶が終わっていたので、地元で婚姻届を出してからのついで新婚旅行(ついでなのは両親への顔見せ)へと繰り出したとさ。(順番はおかしいけれど、入籍してから料亭で両家顔見せしました。夫の方の仕事の都合上だったはず。)
そして今はなんやかんやと母のうんざりする言動に呆れ果てて、「もう関わらない」と宣言して絶縁状態。父とは互いに関心薄いのでどうでもいい。ただ、夫は父が長年ハマっているスポーツを教えてもらって気が合ったもので、「また実家行きたかったのになあ・・・。お義父さんとあれやりたかったのに・・・。」と残念がられました。しーらね。
