ピッチパーフェクトシリーズは2015年~から公開された映画で、ミュージカルコメディ。ミュージカルもコメディも好きです。その中でもドはまりしました。下ネタが多く、下品な描写が多いのですが、そこら辺も過激で面白いです。
~ここからネタバレ注意!~
1のあらすじネタバレ
冒頭では、バーデン大学のトレブルメーカーズという男性アカペラグループが舞台で歌い踊っています。大人気で、観客も評論するジョンとゲイルからの評価も高いです。
一方、次に控えていた同じバーデン大学の別の女性アカペラグループのバーデン・ベラーズは緊張しいのオーブリーがソロを歌っている最中に大量の嘔吐を観客に向かって吐き散らかすという大惨事を起こしていました。
音楽プロデューサーを目指す主人公のベッカ。大学教授の父に無理やり自分が勤めるバーデン大学に入学させられ、嫌々ながらの大学生活をスタートさせます。寮生活で、同室は韓国人のキミー。彼女は早々に韓国人サークルに入ってしまい、ベッカは友達作りも出遅れます。
様々なサークルを眺め見ていると、昨年の大会で最悪の結果を出したオーブリーとクロエの2人きりとなったバーデン・ベラーズの2人が今までの伝統ある「細くてビジュアルが良く、イケている女性」ではない女子以外にもなりふり構わず声を掛けていますが、昨年の失態を知っている人々から避けられています。
そこにベッカもクロエに声を掛けられました。オーブリーはベッカのメイクが少しゴスロリっぽいいかつい感じだったので、「ベラーズに相応しくない」と思う現在のサークル長のオーブリーが思うのでしたが、ベッカは「歌うのは苦手」と断りました。
しかし、その後シャワーを浴びている最中に鼻歌を歌っていたところ、隣のブースで男といちゃついていたクロエに「すごく上手いじゃない!」と言われ、アカペラグループの選考会に出ることを要請します。
最初は乗り気じゃなかったベッカでしたが、なんとなしに選考会におずおずと現れます。すると、他の選考者たちはそれぞれの持ち味を生かしたアカペラのテクニックを披露していたのに反し、ベッカはペン立てにしていたカップを使い、打楽器のベースにして歌い、オーブリーも認めるところになりました。
ベラーズには沢山の個性的なキャラクターが集まりました。今までのキャビンアテンド的なビジュアルとは一変しており、ファット・エイミー(太っちょエイミー)と自分から名乗るようなおデブの女子も参加しています。
ベラーズはトレブルメーカーズを敵視しており、トレブルメーカーズのメンバーと関係を持ったら脱退という厳しい規則もあります。各アカペラグループのメンバーが決まった合同歓迎パーティーでも、つい盛り上がって関係を持ってしまったメンバーをオーブリーは容赦なく脱退させました。一方のベッカも、校内ラジオ局で同じくバイトしているトレブルメーカーズのジェシーとお互い気になる存在になっていて、ベッカが異議を唱えますが、頑固な性格のオーブリーは聞く耳も持たず、ベラーズの練習が始まります。
後のシリーズで分かりますが、オーブリーは軍の高官である父を持ち、軍隊染みたやり方で新メンバーを鍛えていきます。それに根を上げそうになりながらも、メンバーたちは練習を積み重ねていきます。
しかし、基本的なアカペラの技術は向上していっても、オーブリーは昔ながらの女性ボーカル曲で構成することに拘ります。それがベラーズの伝統だからです。ベッカはそんな伝統に嫌気がさし、いつもと同じ構成で歌い踊るベラーズの様子を見ていた観衆があくびをして飽きているのを見て、唐突にアドリブを入れたことで、オーブリーは激怒し、ベッカを追放します。更に、クロエも練習のし過ぎで喉に異常をきたし、入院しました。
しかし、後にその固執した考えが過ちだったことを認めるようになり、ベッカもベラーズに復帰します。そして、クロエも入院から戻って声を出してみると、何オクターブも低い男性の声が出るようになりました。これでベラーズの歌に欠けていた男性パートの音が入ることになり、みんなが喜びます。
復帰したベッカは今までとは違ったベラーズにしようと、自分の作曲能力や演出力を生かし、躍動感があり、刺激的な内容に変えて行きます。リンカーンセンターと呼ばれる、以前オーブリーが大失態をおかした舞台に立ちます。
ライバルのトレブルメーカーズは事前に主力ボーカルだったバンパーが引き抜きで勝手にメンバー脱退をしており、代わりにトレブルメーカーズに所属することを熱望していたマジックが得意だけど変人のジェシーの友人が入るも、見事な演技と歌唱を見せつけたベラーズには勝てません。見事優勝を果たしたベラーズは汚名返上と共に、観客たちから盛大な支持を得るのでした。
2のあらすじネタバレ
あれから4年が経ち、バーデンベラーズは毎年リンカーンセンターでの全米大会で優勝を取り続ける覇者となっていました。大統領の生誕記念パーティーに呼ばれたベラーズが舞台で披露する場面から物語は始まります。以前までの衣装も一新し、見事な演出で観客を賑わせていたものの、エイミーが天井から吊るされた布に乗って空中ダンスしたことでハプニングに見舞われます。ピチピチの衣装を着ていたために、ダンスの途中で股間の部分が裂けてしまい、更にノーパンだったものだから、その光景が様々なニュースでバッシングの嵐となります。
もちろん、バーデン大学でも大統領の前でそのような失態を仕出かしたことについて黙っておけず、ベラーズは大会出場を禁止されてしまいました。
ベラーズに命をかけており、そのためにずっと留年し続けていたクロエは発狂します。他のメンバーも意気消沈します。しかしベラーズのリーダーとなったベッカは世界大会で優勝すれば再活動を認めることを交渉し、了承させることに成功しました。
更に、勧誘活動も禁止されてしまったベラーズは新入部員を獲得することができず、この4年間の実績で手に入れたメンバーが住まう部室棟でふてくされていました。しかし、そこにエミリーという、母親が昔ベラーズであり、自分も母親から話を聞いていてベラーズになることが夢だった少女が入部を希望しにやってきます。エミリーは作詞・作曲が趣味で、オリジナルの歌を歌い、その歌声を認めたベラーズは「勧誘は禁止されているけど自分から来ているんだからオッケー」と、エミリーの加入を許可します。
また、エミリーに対し、ベッカの恋人となっていたジェシーの親友であるベンジーが一目ぼれしました。今まで恋愛経験のないベンジーはもともとの変人ぶりを発揮しながらぎこちなくアプローチをし、それをジェシーに慰められます。
ベラーズはアメリカでは負け知らずでしたが、世界大会ともなればそうもいかず、本来ベラーズが出演するはずだった自動車展覧会で圧倒的な人員を統率して迫力のある演出と歌声を見せるロシア出身のダス・サウンド・マシン(以降DMC)に圧倒されます。
ベラーズは試行錯誤してDMCに対抗しようとしますが、対抗しようとするあまりにメンバー内でも不穏な空気が流れ出します。更に、ベッカは裏で将来のために音楽プロデューサーとしての道を歩むため、インターンに通っていたこともあって、新しいベラーズのための編曲ができずにスランプに陥ります。
そんな状況でしたが、クロエはバカンスに行くと称して、メンバーを卒業し、オーブリーが運営しているキャンプ場で懐かしい軍隊式訓練を受け、それぞれ自分の気持ちを吐露しながらメンバーの心を一つにしていきます。
メンバーは自分たちの将来の夢を語り、そうして心は決まりました。DSMを意識しすぎることを辞めて、オリジナルソングを歌えるエミリーの協力でベッカもインターンに入っていた会社のプロデューサーの目に留まることになり、ベッカの就職も決まります。
いざ、世界大会ではDMCも激しいダンスと息の揃ったダンスで観客のボルテージを上げます。アメリカ側の評論家であるゲイルとジョンもベラーズが勝つのはムリだろうと絶望的な観測をします。
しかし、ベラーズは奥の手を用意した状態で戦いに臨みます。緊張しながら自分たちの番を待っている時、エミリーの下にベンジーが現れました。ベンジーはエミリーに告白します。そして、エミリーはそれにキスで応えました。
威圧感のあるDMCとは異なり、心から楽しみながら歌い踊るベラーズ。ハイテンションな曲調から、曲は途中で一気にトーンダウンします。そこから、エミリーが作ったオリジナルソングが歌われます。あのベラーズがオリジナルソングを歌っていると、ゲイルとジョンも驚きを隠せません。
スポットライトに当たるエミリーとベッカ。静かに歌われていた中、少しずつメンバーが加わり、そしていっきに舞台上がライトアップされたかと思うと、歴代のベラーズのメンバー達が同じ衣装でバックに立ち、バックコーラスを始めるのでした。これはエミリーが母にお願いをし、歴代メンバーにコンタクトを取ってくれたお陰でした。
その迫力と美しいハーモニー。そこで、さりげなくベラーズのために用意していたライトを観客たちに配っていたジェシーとベンジーのお陰で、ベラーズの演出に合わせて真っ白に輝くライトが振られ、観客も一体感を味わいます。
そうして世界大会を勝ち取ったベラーズ。クロエも将来へと歩み出すと決め、ベラーズにはエミリー一人が残ることになります。そんなエミリーに部室棟の鍵を渡し、「入部の儀式として階段を滑り落ちる。」という訳の分からない規約を伝え、エイミーがお手本を見せつけます。そうして、エミリーが滑り落ちるというところで、物語は終わりました。
ラストステージのあらすじネタバレ
冒頭では、船内でベラーズが屈強な男たちの前でアカペラを披露しているシーンから始まります。曲の途中で天井のガラスを突き破って落下してきたエイミーが消火器を男たちにまき散らします。ベッカに「早く逃げよう!」と腕を掴まれ、2人とベラーズ達は海へと飛び込みます。ベッカとエイミーの背後では大爆発が起き、そこからオープニングに入ります。
前回で主要メンバーが全員卒業し、それぞれ社会人として働き始めていました。しかし、それぞれ仕事や入隊試験などが上手くいかず、それは主人公のベッカも同じでした。入社したプロデュース事務所では、歌手グループにアレンジした曲を馬鹿にされ、怒り心頭でエミリーとシェアしている自宅に「辞めてやった!」と愚痴を吐き捨てながら帰宅しました。
そこに、クロエ(だったかな? オーブリーだったかも)が昔馴染みのベラーズの衣装を身に付けて現れます。水族館で現ベラーズメンバーによるコンサートが開かれるということで、久しぶりにみんなでアカペラができると大喜びでかつてのメンバーが集結します。
しかし、水族館でのパフォーマンスはあくまでも現メンバーだけのものであり、現リーダーのエミリーは「そういうつもりじゃなくて、みんなと会いたかっただけだったの。誤解させてしまってごめんなさい。」と謝罪します。きらきらと輝く若者たちに囲まれ、仕事が上手く行っていないベラーズは意気消沈します。
しかし、オーブリーが軍の高官の父の口利きで、米国慰安協会のツアーに参加できることになりました。大会というわけではありませんが、それは名目上で、DJキャレド(本人出演)に目をつけてもらい、前座に選んでもらい、デビューすることが目的で集まったグループたちがスペインのロタ海軍基地で待ち構えていました。
他のメンバーは楽器を駆使しており、声だけで演出するアカペラグループのベラーズは不利でした。メンバーが勢ぞろいした際にも、リフ・オフ(即興でテーマとテンポを繋ぎながら上手く歌い切った方が勝つ)を挑み、強敵の女性ボーカルグループの「エバー・モイスト」が好戦的な態度で、「リフ・オフ」と言いつつも、他のグループとも絡みながら気分良さそうに歌う姿を見て「楽器を使うなんて反則!」と逃げ去ってしまいました。そんなところにもくっついてきていたゲイルとジョンは大笑いしています。
最初のステージでは他のグループの演出に圧倒されますが、ベラーズも負けじと海軍らしい赤いボーダーのセクシーな衣装で踊り、だんだんと観客もノってきます。メインボーカルで歌うベッカの姿を、DJギャレドの下で幹部として働いているテオが釘付けとなって見ていました。ところが、途中で追悼者を讃える「タップス」と呼ばれるサイレンが鳴り響き、慌てるオーブリーに言われるがまま舞台上で敬礼を行います。そんな様子を見て、ゲイルとジョンはまたも大笑いして馬鹿にするのでした。
途中までは良いカンジだったのに、とホテルでぼやくメンバーのところに、エミリー(妊娠した元メンバーのシンシアの代わりに現メンバーで唯一参加した)が身だしなみを整えた状態で現れます。向かいのホテルでDJギャレドがパーティーを開いていると言い、色仕掛けでDJギャレドのお近づきになろうと言い出します。
それに乗り気になってメンバーはそれぞれお洒落をし、見事テオの口利きでパーティーに潜り込むことができました。そこでDJギャレドが思いついた時に作曲ができるために用意されていた機材に目を付けたベッカは、テオに勧められるがまま自分の声をベースにして重ね合わせ、即興で見事な編曲を行います。そんなベッカの才能を目の当たりにしたテオは驚愕しますが、DJギャレドがホテルに到着したということで、ベッカに「そのまま続けていて」と言って出迎えに行きます。
しかし、そこではメンバーがうっかりの連鎖反応を起こし、窓ガラスが割れるわ、蜂が飛び交うわの大惨事になってしまったVIPルーム。共にいたエバー・モイストが「ベラーズは終りね」と得意げに笑っていました。
そんな大惨事の最中、エイミーは別のところにいました。それはカジノで、父親と共にいたのです。エイミーは特殊な家庭環境だったことを伺わせ、エミリーは実家がイヤになって家出し、バーデン大学に入学、卒業していたのでした。そんな複雑な家庭環境を作った父親でしたが、それでも再会を喜んでいました。父親はやたらと一緒にクルージングに行こうと誘いますが、今はツアー中だからムリだとはねのけます。
翌日、ホテル前で落ち込み佇むベラーズ。お互い怒りをぶつけあいますが、そこにステイシーからテレビ電話が入ります。つくろった笑顔で挨拶するメンバーでしたが、ステイシーは子供が産まれたことを伝え、名前を「ベラ」と、ベラーズにちなんだ名前をつけていました。
そのことで喧嘩している場合ではないと再び士気を高めるベラーズ。各地域での慰問コンサートでは、過去の失態を振り切った笑顔でアカペラを披露していきます。エバー・モイストは自分たちをDJギャレドに推してくれとテオに頼みますが、テオはベラーズのベッカに気持ちが傾いていました。また、DJギャレドもベラーズを評価するようになっています。
いよいよ、最終決戦となる南フランスへと渡ります。そこでベッカは単身でDJギャレドに呼び出され、前座を依頼されます。ベラーズのみんなが喜ぶ! と思ったのもつかの間、「ベッカだけに前座を依頼したいと思っている。そして自分のレーベルに加入して期待の新人アーティストになってもらいたい。」と真意を告げるのでした。
ベッカは今まで苦労を共にしてきた仲間たちのことを想い、拒否しようとしましたが、テオに説得されて保留になりました。
そうしてその事実を隠したままホテルに戻ると、エイミーが怒りを爆発させながらベッカに真っ黒な服を投げ渡し、自分も服を着替えて支度をしています。自分がDJギャレドに呼び出された話をしようとするも、エイミーはそれどころじゃありませんでした。
それもそのはずで、エイミーの父親の正体はマフィア。資金源に困り、エイミー名義の口座にため込んでいた資金を取り戻したくてエイミーをクルージングに連れて行こうとしていたのです。しかしそのことに気付かれた父親は、部下を使ってベラーズを拉致し、自分の船で監禁していたのでした。
エイミーは父親の言いなりにならず、自分とベッカが協力して仲間を救おうと提案します。ベッカは心配しつつも、こっそり甲板へと乗り込みます。そして、「最初からいたか?」とエイミーの父親から疑問に思われますが、「チビだから気付かなかったんじゃない?」とごまかし、「死ぬ前にベラーズらしく、歌って終わりたい。お願い、一曲だけ!」と懇願し、エイミーの父親の気をそらすために戸惑うメンバーと共にアカペラを披露します。
その間、エイミーは船内に侵入し、続々と父親の部下を倒していきます。とんでもない体術は幼少期から父親が部下を家庭教師にし、体術を仕込んでいたからでした。そんな体術の師匠でもある家庭教師とキッチンで対峙しますが、見事にやっつけてみせます。
コーンフレークの箱に詰め込んで隠してあった爆弾を発見し、「昔から変わらない」と呟くエイミーは、キッチンのガスを全開放にし、トースターの中に爆弾をつっこんで即席の時限爆弾を作り上げます。
そして、オープニング冒頭へとシーンは戻ります。エイミーは天井のガラスを突き破り、父親たちに向かって消火器をまき散らして「フリーダーム!!」と叫びます。ヤケクソになっているエミリーを引っ張り、ベッカは共に海へと飛び込みます。船の爆発を見て、海上警察がわんさかとやってきてメンバーは保護されました。
保護された中、ベッカは自分がDJギャレドの前座に選ばれたこと、そしてそれを断るつもりでいることを告げます。しかし、他のメンバーは「真の家族は邪魔をせずに支えるもの」と、ベッカのデビューを応援します。そして、他のメンバーも実はそれぞれ次の就職先が決まっていることや、大学に合格したことや、アカペラの時以外は小声で何を話しているか何を考えているか不明だったリリーが笑顔で「悪魔が去った! ハイ、私エスター!」と謎過ぎる言動も見せますが、とにかくメンバー全員がベッカのデビューを後押ししました。
そして、最後の舞台となる場でDJギャレドから「期待の新人、ベッカ・ミッチェル!」と呼び出されました。
ベッカはスパンコールが施された白い衣装に身を包み、舞台上に現れます。足元にある編曲用の器材を使い、その場で自分の声を重ね、ベース音と作りました。そして旅立ちを予感させる歌詞を歌い出します。ところが、途中から客席で見守っているメンバーの下へと近づき、手を引いて舞台上に上げます。
メンバーと共に歌いながら最後の歌を歌う曲を眺めるエバー・モイスト。最初は悔しそうな顔をしていましたが、徐々にベラーズを認めるように笑顔を浮かべ、歌い上げた最後には惜しみない拍手を送りました。
ベラーズ達はみんなで抱きしめ合い、それぞれの成功を願って物語は終わりとなります。
以上、あらすじネタバレでした。
どのシリーズでも素敵なアカペラが聴けて、しかも幕間のストーリーで展開される下品じみた下ネタもスパイスとなっていて見ごたえがあります。何度も何度も繰り返し見てしまっています。ネットフリックスではたしか1とラストステージが見られて、2は見られなかったかな? と思います。
リフ・オフも面白いですし、一番面白かったのはラストステージでの楽器が入り混じったリフ・オフでした。ゾンビ・アポカリプスをテーマにしたときのエバー・モイストのカラミティ(リーダー)の歌声が素敵でした。ノリノリでグループまで入り混じって歌う他のメンバーに途中でベッカが自分のペースに持ち込もうとするのですが、ギターをアンプに繋がれ、ヴァイオリンもドラムも持ち出されて強引に自分たちのペースに持っていかれてしまった際に、エバー・モイストのメンバーからギターを見せびらかせられながら挑発を受けるシーンも面白かったです。
あらすじでは端おりましたが、エイミーは実はバンパーと付き合っていて、ラストステージではベッカもジェシーと共に別れた状態だったのですが、1ではベッカはジェシーにかなり支えられ、ジェシーが見せてくれた映画を演出に取り入れるという影響まで及ぼしていましたし、2でバンパーとエイミーの熱愛シーンがあったのにあっさりと終わっていたことが気になりましたが、案外エイミーが男好きだということをアピールしたいという演出だったり、ベッカに片思いするテオ(最後に舞台裏で2人で語らっている時にキスしようとしていた。)という存在が必要だったから消したんだな~と思いました。
アカペラはどれも素敵で、ダンスも最高。ラストステージの船上での曲が感動的という方向ではなく、面白いという方向でとても良かったのですが、合間にエミリーの格闘シーンなどが入ってしまったり、そもそも舞台上での演出ではなかったので全員の動きが見られなかったことが残念です。けれど、リリーの喉を小刻みに叩きながらベース音を作る演出や、シンシア(黒人でガタイの良いバイセクシュアル)のダンスのキレの良さが格好良かったです。
一番感動的だと思ったのは、2の最後の舞台です。ベラーズらしい躍動感あるダンスと歌声の後に歴代メンバーが勢ぞろいして盛大なコーラスと、静かに終わるエイミーの姿。ラストステージの最後の舞台も感動的でしたが、どちらかというと涙がにじみ出てくるような感動を呼び起こすのは2の方でした。
エンディングロールでは今までゲイルとジョンが撮影してきたメンバーの楽しそうな姿が映っていて、とんでもないサイズの生理用ナプキンにメッセージを書いて額に貼り付けている姿なんかも笑えました。
3シリーズ全て解説したので長くなりましたが、かなり一押しの作品です。最後が3ではなくてラストステージと銘打たれているので、今後続編はないのでしょうが、残念に思いながらもベッカを演じたアナ・ケンドリックの歌声はかっこいいの一言なので、ぜひYouTubeで歌っているシーンだけでも一聴してから興味をもったら映画を観てもらいたいと思います。

