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母ちゃんは溶接工

溶接工しながら子育てしてます。
架台から熱交換器、果ては近所の方の包丁やら農機具まで直したり作ったりする製缶屋さんで日々、勉強中です。
まだまだ仕事も育児もヒヨッコですが、奮闘中です!

暑くなってきましたね。
溶接工的には最悪の季節です。
溶接工100人にアンケートを取ったら50人は「嫌いだ」30人は「大嫌いだ」20人は「辞めたい」と言うんじゃないでしょうか。

溶接とは金属を電気で溶かして、くっつけるのです。穴を開けてボルトで止めたりするよりも軽く、接着剤でつけるよりも強く、金属製品を作ることができます。
身近なものでは、半田付け。母材は溶かしませんが、これも溶接の仲間です。
公園の滑り台やうんてい、ジャングルジムなんかは殆ど溶接で作ってあります。息子と公園に行くと他人の溶接が気になって、じーっと遊具を見つめてしまう。それが素晴らしい溶接ならニヤニヤして子供に説明してしまう。それは溶接工の習性です。

鉄の融点は、およそ1600℃。
飛び散る火花、吹き出す金属の蒸気、青白いアーク光!
そう、真夏日だろうが猛暑日だろうが、綿の長袖長ズボン。上から革製のエプロンをつけ、足元は革製の安全長靴。マスクをつけて、帽子をかぶり、肘まである革手袋に溶接面。これが基本装備。

もうね、暑いってもんじゃないの。水分補給した矢先に全部出るの。「ああ…アクエリアス…今かいた汗は、さっき飲んだアクエリアス…」って具合に。

ざっくり言うと、鉄を溶かして作る時、酸素を無理矢理に追い出して固めます。なので鉄は常に「酸素もっと欲しい!」状態なんです。だから酸素とくっついて錆びるわけです。
溶接する時は溶けて不安定ですから、ものすごく「酸素!酸素あるよ!欲しい!」モードです。「酸素!やったよ!一緒だね!」になると、溶接した所が穴ボコで使い物にならなくなります。
そのため、色んなガスを溶けた部分に吹き付けながら溶接し、空気と触れ合わないようにします。風が吹いてガスが吹き飛んでしまうと「酸素キターーーー!」となるので屋外での作業には不向きですね。そういった場所では別の溶接方法をとります。

つまり、真夏日でも猛暑日でも、窓は閉めて。扇風機?なにそれ?状態です。地獄の夏がやってきます。

溶接、知らない方にも分かって頂けたでしょうか?なりたいと思ってる人、やめたくなったでしょうか…。しかし、この苦痛を軽く吹き飛ばすくらい、上達したときの喜び、製品を作り上げたときの達成感があります。

早く、冬が、来ないかしら。